Au clair de la lune のひみつ。<1>

Coucou !!

みなさん、すっごくおひさしぶりです♪♪♪
昨日日本に帰国いたしました。

今日は、フランスで見つけてきた、古い童謡に関する重大な発見を!!(←大げさです)

いろいろな童謡やシャンソン、1番や2番までは歌えても、さいごまで歌えるかたって少ないのでは?
わたしもそう。

Au clair de la lune ってご存じですよね?

この歌、オルゴールでつくってから、ぜんぶの歌詞が知りたくなって、師匠や師匠のママンに訊いてみたの。
やっぱりフランス人でもおなじで、リフレインや1番・2番の歌詞は知っていても、最後までは知らなかったのです。

それで、師匠のママンが童謡の歌詞集を贈ってくれました。

その本で Au clair de la lune の歌詞を調べてみたら、昔の童謡や童話にありがちなスゴイひみつが。(←←← また大げさです)

これ、内容をひとつひとつ説明していったほうが分かりやすいと思うので、数回に分けてご紹介します。

Au clair de la lune

Au clair de la lune
Mon ami Pierrot
Prête-moi ta plume
Pour écrire un mot.

Ma chandelle est morte
Je n’ai plus de feu
Ouvre-moi ta porte
Pour l’amour de Dieu.

まずはタイトル。

Au clair de la lune

この Auà + le で、À Dieu でちょっとふれたように「・・・さまお願い」とか「・・・よ、聞いてくれ」となにかをお願いしたり祈ったりするときの表現ですね。

ここでは「お月さまの明かりに免じて」なんていうニュアンスになるのじゃないかな。

Prête-moi ta plume

この Prête-moi は「わたしに○○を貸して」。
「命令形-moi」で「わたしに・のために・・・して」とお願いする表現で、とってもつかえます。

Plume とは羽根ペンのこと。
もともと「(1枚の)羽根」を意味する単語ですが、羽根ペンからふつうにペンやペン先を指すようになりました。

Pour écrire un mot.

Un mot とは「ひとつのことば」という意味にかぎらず、数行の「ちょっとしたメッセージ」から「はがき・手紙」までをあらわすこともあります。

Ma chandelle est morte

Chandelle とは「ろうそく」bougie を意味する古いことば。

ラテン語 Candẽla が語源で、そこから派生した chandelier から「シャンデリア」、Kandelaar(ドイツ語)から「カンテラ」などということばがきてるのですね。

Etre mort(e) は「死ぬ」の複合過去で chandelle が女性形なので e をつけて「モール」から「モルトゥ」と発音もかわります。

Je n’ai plus de feu

Ne … plus は「もう・・・ない」という否定表現。
「火(明かり)がもうない」、という意味です。

Ouvre-moi ta porte

Ouvre-moi は「わたしに開けてくれ」ですね。
Ta porte, つまり「キミの扉を」です。

Pour l’amour de Dieu.

この表現、話しことばの中ではもうつかわれることもないそうですが、「後生だから」「お願いだから」という意味です。

自分自身でいうときには「神さまのおぼしめしにしたがって」よろこんでやります、なんて意味だったらしいです。

つまり、

月のあかりに免じて モナミ・ピエロー
お願いだから きみの羽根ペンを貸してくれよ
手紙を書きたいんだ

ぼくのろうそくは消えてしまった
もう火がないんだ
お願いだから きみの扉を開けてくれよ

といったかんじでしょうか?

これらの表現は2番・そして気になる3番の結末までつづく大切な伏線になっています。

よく覚えておいてね。