Zidane 選手のインタビュー Nº4

TF1 での Zizou のインタビュー第4回。

念のため、もうちょっと詳しく。
このインタビューは、Canal+ のものとは内容が少し異なっています。

Canal+ はあらかじめよく準備されたもので、Zizou も明確に語っていますし、例の事件だけでなく、今回の Coupe du Monde について、Les Bleu について話し、むしろ、それがインタビューの前半を占めています。

なので、Canal+ のものをもとにした記事(多くがこれ)はもともと要約された彼の意見を、さらにかいつまんで書かれたものが多いです。

あれだけみれば、「言い訳」といわれているのも分かる気がします。インタビュアーが、「そこに、いわずともくみ取れるものがある」と短いインタビューをフォローしている部分は書かれていないのだし。

Canal+ は有料チャネルなので、すべてのフランス国民が視聴できる TF1 でのインタビューは急遽決まったことで、Canal+ の直後に収録されています。

それもあって、この部分で話しているように、Zizou は今までになく、というよりはむしろ、今まであえて口を閉ざしてきたことを、この TF1 のインタビューの中で述べています。

直後にシナリオができていなかったこともあり、彼の見解・感情をあらわにしている部分もたくさんあります。

それからもうひとつ、フランス語について。この Claire さん、ことばを相当選んでいるからか、あまり明解でないのです。

師匠と一緒にわたしのディクテを補足しているのですが、ネイティヴにも聞き取れない部分、理解不能ないいまわしも。その箇所には (?) をつけてあります。

ZizouCanal+ と要点はおなじですが、なるべくちがった表現をつかおうと試みている様子で、ふたりとも、話しながら、ひとつの表現の途中でほかのことばに言い換えている部分も多いので、原文では理解しにくいかもしれませんが、ここでは彼らの発言をそのまま記述し、訳のほうはなるべくそのまま、でも内容が分かるように、師匠がかみ砕いてくれたものを日本語にしてありますので、意訳の部分もあります。ご了承ください。

(独特のいいまわしなど、ご紹介できなくてごめんなさい)

それではどうぞ。

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クレール・シャザール:
そういえば、わたしたちは大喝采を見ました、あなたたちが行ったとき、えー・・・ホテル・クリヨンに。あれほどの温かな歓迎があって・・・

ジズー:
ええ、本当に。本当に、それは・・・それはたくさんの人びとに見守られ、そしてあのとき、わたしたちは彼らに・・・彼らに感謝のことばを言いたかったのです。

クレール・シャザール:
で、あなたはおっしゃいました、ええ・・・なぜなら、実に、あなたの経歴にはかなりの・・・ときどき、あのような振る舞いが、すこし乱暴な行為があったと、そしてそれは・・・「それはわたしのダークな部分だ」と、ん・・・

ジズー:
ああ、結局それは・・・それは今もいったように、それは・・・わたしも人間ですから、わたしは・・・誰も完璧ではない、そういう面もあります、それを言うのにはわたしは・・・ちょうどいい状況にあります。

そして時々、えー・・・時々わたしがそんな・・・恥じるようなことを起こしてしまった、しかし、それと同時に・・・それらを・・・そうしてしまったことをありのまま受け入れる必要があります。必要な・・・わたしは、わたしは全て・・・あなたに言えるのは、ただ、わたしはいつでも・・・努めていました、できる限りもっとも正直であるように、そう、そういうことです。

それは・・・わたしがしたことに、わたしが人びとの前で示す(見せる)ことに、それからえぇ・・・それから自分の人生においても、そう心がけているのです、ええ。確かに・・・そう、確かにわたしは完璧ではありません、そして・・・

クレール・シャザール:
しかし・・・ん・・・ええと・・・超人もしくは英雄といったランクから、あなたは・・・人間に至った、そして・・・

ジズー:
ええ、わたしは何よりもまず、(人間です、)ええ・・・

クレール・シャザール:
たぶん、世の人びとにさらに身近になった、ある意味では・・・こんな風に・・・

ジズー:
もちろんです・・・

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最後に、わたしと師匠の見解を少々。

イタリアの優勝・Zizou のレッドを撤回しようとか、それを議論しているのではないということ。
Zizou はあの行為によって退場し、すでに罰せられている、それは当然だし、それに対して異議はないということ。

ある場面では「フェアプレイ」「スポーツマン・シップ」を掲げて、いまだに暴力行為だけが非難されているのをよく目にします。

それ以前に、わたしはもっと根本的な問題だと思うのですが、もしそれを問題にするなら・・・同じくフィールドに立っていた、でも直接わたしたちは耳にすることができなかった、「反応があるまで繰り返された」相手の発言は「フェアプレイ」?「スポーツマン・シップ」にのっとっていた?

FIFA の「懲戒規約」によると「無礼な身ぶりや発言で人を侮辱した選手は最低2試合、宗教や出自を含む差別的な言動で中傷すれば、最低5試合の出場停止処分を科す」(東京新聞平成18年7月12日朝刊19面)そうです。

・・・Because It’s There さんより

「審判が見ているか見ていないか」がルールのようになっている、「挑発行為やそういった発言はあたり前」、ひどい場合には「それも作戦だ、よくやった」なんていう意見もある、今のサッカー界に一石を投じたことに対して、わたしたちは非常に意味のあることだと思っています。

実際に人種のるつぼであり、差別が日常的におこなわれ、外を歩くだけでも、通りすがりの見知らぬひとにまったくいわれもなく汚いことばを吐かれ、いつも、それに耐えている人びとがいるという現実。実際そういう目に遭っている、そして来る日も来る日もそれに耐えるしかない、そんなともだちもわたしたちのすぐそばにいます。

そもそも、毎回選手たちは試合前にそれを誓っていたはず。

なぜここで、差別問題?彼がいわれたことは、個人的なことなのでは?万が一そう思われたかた、公正な立場で書かれた記事を読み、これからの部分での彼の発言を聞けば理解できるでしょう。

個人的な意見はまだまだありますが、そういう立場で翻訳しているのではないので控えます。プライベート・ブログには書くかもしれませんが。

ブログ Because It’s There さんのところでかなり詳しく、今回のことに関するいろいろな記事、責任ある人たちの軽率な言動、差別問題や FIFA の取り組みなど、真剣に取り上げられています。ぜひぜひ、読んでいただきたいと思うのです。

もし日本語訳に間違いがあったら、それは重要なことなので教えてください。

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Claire Chazal :
On a vu “le triomphe” d’ailleurs quand vous êtes allé euh… le lendemain au Crillon, il y avait cet accueil tellement chaleureux…

Zizou :
Oui, c’est vrai. C’est vrai que ça passe pas… ça passe pas inaperçu et dans ces moments-là vous êtes… vous avez envie de leur dire… de leur dire merci, oui.

Claire Chazal :
Enfin, un jour vous avez dit oui… parce que c’est vrai qu’il y a, y a eu dans votre carrière, il y a eu pas mal de… quelquefois des gestes comme ça, un peu brutaux, et vous avez dit “c’est… c’est mon côté obscur” euh…

Zizou :
Ouais, enfin, c’est… c’est le côté qui… pfff… encore une fois c’est… vous savez, je suis un être humain, j’ai euh… personne n’est parfait, je suis… bien placé pour vous le dire.

Et quelquefois euh… quelquefois y a des choses qui se passent que… qu’on n’est pas, pas fier mais en même temps… il faut accepter des choses comme… comme elles sont. Il faut, il faut les accepter, il faut… J’ai, j’ai tout… ce que je vous dis, simplement, j’ai toujours… essayé d’être le plus honnête possible, quoi, voilà.

C’est… avec… avec ce que je fais, avec ce que je reprèsente, et euh… et ce que j’ai pu être dans la vie de tous les jours, quoi, voilà. C’est… après voilà, enfin c’est vrai que je… j’suis pas parfait et…

Claire Chazal :
Mais au fond… de… d’un… de rang de… de… demi-dieu ou de héros, vous arrivez aussi euh… au rang d’être humain et…

Zizou :
Oui, je suis avant tout… oui…

Claire Chazal :
Peut-être plus proche encore des gens d’une certaine façon… comme ça…

Zizou :
Bien sûr…

A SUIVRE…

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