Faisons la dictée ! ・・・ ディクテしよう!ふたたび。

Coucou !
Comment ça va ?

昨日の深夜、やっとパリ(のちょい郊外)にもどりました。

急ぎの仕事があったのにパソコンがぶっ壊れ、大切なデータもふっ飛び、一時は心労マックスな KiKi でしたが、おかげでバカンスを家族でのんびりすごし、リフレッシュできました♬ ヴァカンスにまで仕事させようとしたので、KiKiBook がストライキを起こしたのかも。

さて、今日はひさびさの、「フランス語学習に有効だと思うこと」について。

ご存知のとおり、最近のわたしは La Coupe du Monde に夢中でした。

フランス代表選手や監督が、試合後インタビューでなにを語っているのか知りたくて、そこで見つけたおもしろい表現などをここでご紹介したくて、毎日のように dictée ディクテ(口述、書き取り)しました。そして思ったこと。

同じものをくり返し「聞き流す」こともフランス語学習において有効だと思っていますが、ある程度分かるようになり、書けるようになったら、ときどきは意識をぎゅっと集中して「聴き取る・書き取る」ことは大切だなぁと。そしてこれは耳をならすだけでなく、発話にも絶大な効果があることをあらためて実感しました。

今回5日ほど、師匠の実家に滞在しました。

そこには師匠のパパやママンがいたほか、妹の Claire(フランス語の先生)や彼女の息子 Raphaël(5歳)も来ていました。1日3回、家族みんなが集まる食卓では、さまざまな会話・・・時事問題あり、音楽や映画の話題あり、それぞれの近況報告あり、Raphaël の演説あり・・・が L’argot ラるゴ(スラング)や家族のあいだでしか通じないボキャブラリーなど、とっても familier ファミリエ(フランク?)なことばをまじえて早口で繰り広げられるのです。

ついていこうとすると相当疲れるので、このごろはあまり積極的に会話に参加することもなく、そこにいる、というだけで内容が耳に入ってきませんでした。ところが、数週間インタビューのビデオをくり返し集中して聴きながら書き取ったり、ドキュメンタリーや批評番組で話している内容に意識を向けて聴いていたのが功を奏したのか、家族が話しているひとことひとことが、ごく自然に、考えなくても理解できるようになったんですね。そうすると、会話にもナチュラルに参加できるようになる。自分の意見をいったり、質問をしたり、さらっとおもしろい返しができたりするの。

外国語の多読のように、聴き取りでも、分からないところは飛ばしてどんどん進むことは、ある時点までは有効だと思います。でも、ときにはしっかり聴き取ったり、書き取ったり、まちがいや意味の分からないところを徹底的に調べて、きちんと理解すること、定期的にあたらしいボキャブラリーや表現を仕入れることも必要なのだなぁとつくづく思いました。ラッキーにもフランス語に囲まれていられるわたしは、ふだんは聞き流して、ときどきはちゃんと聴く。このローテーションは大事だな、と。

いつでもなんでも、すみずみまでちゃんと聴こうとすると、疲れ果ててフランス語がキライになっちゃうかも。だから興味のあること・・・お気に入りの歌の歌詞とか、好きな著名人のインタビューとか、おもしろい映画とか・・・は、リフレインとか、気になるセリフだけでも書き取りしてみるといいんじゃないかしら。

インタビューなどの聴き取りでは、話し手が途中でいいかえたり、ことばにつまったりするので、一字一句まちがえずに聴き取ることが案外むずかしいです。それに、正解の文章が公開されていることも少ない。なので最初は、簡単なCDつき絵本やくり返し聴き慣れている教材などで試してみるといいですね。

これを書きながら、やはり La Coupe du Monde を真剣に見ていた2006年、Zizou の頭突き事件があって、その心境を語ったインタビューを dictée したあとにも「ディクテしよう!」という、口述の裏話と効果をあれこれ書いた記事をアップしたことを思い出しました。

あれから12年、ほぼ同じこといってるわたしは成長してないなぁ・・・これからも、ときどきはきちんと聴いて、きちんと書こう、と思ったのでした。