仏和辞典をつかいわけよう。

最近、ほとんど信用していかった和仏辞典。

師匠とフランス語で話していると、わたしの和仏辞典と実際のニュアンスがちがっていたり、もう使われないことばや表現が載っていたり、なんてことは前にもなんどかここで書きましたが・・・

さて、そんなことがしょっちゅう起こるので、ブログではなんとか自分の日本語で伝えようと努力しているものの、なかなかわたしのボキャブラリーに見つからなかったり、ど忘れしたりするので、単語の意味を正確に書くときには、やっぱり仏和辞典に頼ることになります。

で・・・さっきことわざの記事を書いていたときの疑惑をひとつ。

Clerc というフランス語を電子辞書のプチ・ロワイヤルでひくと、「(しばしば皮肉で)学者、知識人、インテリ」とあります。

でも、あのことわざでは皮肉ではつかわれていないので、白水社の現代フランス語辞典で引くとこの「しばしば皮肉として」の部分はひとことも記述がありません。

つぎに demi-mot をプチ・ロワイヤルで引きました。「婉曲なことば」としか書いてない・・・

でも、師匠と話すときも、この意味でつかったことはないし、ことわざの訳は『ことわざ・名言辞典』からもらったのでそういう意味にとらえられないこともないけど、どうもちがう・・・半分の demi- ことば mot「全部いわなくても」というニュアンスがないでしょう?

納得いかないので現代フランス語辞典のほうで調べました。やっと「ことば半分で、ほのめかすだけで」という納得のいく日本語に出会えました。

こんなふうだから、辞書はいろいろな種類を併用しています。

大辞典、ちょっと古めの中辞典、ふつうのもの(どれも白水社)、プチ・ラルースの仏仏辞典、それから電子辞書を使い分けています。電子辞書は SEIKO のもので、フランス語は和仏・仏和とも旺文社の「プチ・ロワイヤル」がはいってます。

この電子辞書と紙の辞書の使い分けも必要だと思います。

自分であいまいにしか覚えてないことを確かめたいとき。名詞の性とか、発音とか、h が有音か無音かとか、品詞とか、アクサンの確認や、それからぱっと日本語訳を調べるとき。これには、タイプするだけですぐ見つかる電子辞書をつかいます。ちょっと出かけるときや、旅行のときもこれは便利。

ただ、キーの打ちまちがいや、前のものを削除しないままあたらしく入力しちゃったりすると、1からやり直し。これが面倒なんです・・・やっぱり学習能力ありません。

紙の辞書をつかうときは、本格的です。フランス語のひとつの単語について詳しく調べたいとき、たとえばその単語をふくむ熟語とか、例文とかね。

いちいちスクロールしたり決定ボタンを押さなくても目を動かすか、ページをめくるだけで探せるし、探していた単語についてひととおり目を通すことで、目的以外の情報も見つかったりします。

目的の単語に行きあたる前に、偶然のおもしろい発見、便利な表現なんかが見つかって読みふけったりしちゃいます。紙の辞書の存在は大切です。

微妙なニュアンスだとか、いまでもじゅうぶん通用することばかどうかを知るのには、LarousseMediaDico の仏仏辞典をつかいます。そのほうが、正確な情報を得ることができます。

古い中和辞典は、もう今の辞書には載っていないような、昔のことばや表現ものっているので、本を読むときや、そういうものを好んでつかう Thomas Fersen の詞、昔のシャンソンの歌詞なんかを調べるときには必須アイテムです。

大辞典は・・・期待はずれでした。ひとつひとつの単語について詳しく説明があるのかと思えばそうじゃなくて、例文がいくつか増えてるだけ。それでなぜあんなにぶ厚くて重たいものができるのか不思議。

掲載されている単語の量も多いのかもしれませんが、それはふつうの辞典と中辞典でじゅうぶん補えるので、結局処分することにしました♪

こんな感じで、それぞれに捨てがたい魅力があるので、わたしは TPO にあわせて複数を使い分けています。大辞典以外はね。

それから、いくつかの辞典でおなじことを調べて、微妙にちがった内容からいちばんしっくりくる訳を選んだり、例文をいろいろ参考にしたりしてます。

みなさんは、どんなふうに辞書を活用していますか?