8本足のタコと10月 nº4 – ニシムクサムライ。

さて・・・今日は「8本足のタコと10月」最終章。

それぞれの月の名前の由来ものせてみたから、ぜひ読んでみてね♪

第4章 アウグストゥスの改暦

さてさて、大の月と小の月を並び替えてしまったのはだあれ?

それは、カエサルの養子で初代ローマ皇帝の、アウグストゥスでした。彼はカエサルが自分の名を誕生月につけたのを「うひひ♪それならオレさまも!」と(笑ったかは知りませんが)自分が戦いで勝利をおさめた8月「6番目の月」SextilisAugustus と自分の名前をつけてしまったのです。

まったく、いい時代に生まれたもんですね。それが、今でも August (= août) としてしっかり根づいているんだもの。

ところが彼はそれだけじゃ気がすまなかった。自分の月の日数が少ない、つまり小の月ではメンツが立たないと、8月も31日にしちゃったんです・・・

はい、ユリウス暦ではせっかくきれいにならんでた大の月と小の月の順番が狂っちゃいました。でも、彼も考えました・・・。

これでは大の月が連続しすぎちゃうからと、ちょちょいのちょいっと手直し、ややこしくしちゃったのです。だから、7月も8月も31日あるんですね!

これでやっと、今の暦になったわけなのでした♪♪♪ 彼らのおかげで、夏休みは得した気分でいられたんだなあ。

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さて、一件落着したところで、アウグストゥスの改暦の表をどうぞ。
月名は現在のものに近く、日数などはまったく同じですね。

田桐正彦氏の「フランス語 語源こぼれ話」からちょっと拝借したラテン語の月名の由来もいっしょに・・・

アウグストゥスの改暦

 1月(31日) Januarius ヤーヌアーリウス
ヤーヌス神 Janus の月(ふたつの顔をもち「開始」を司る門扉の神)

 2月(28日) Februarius フェブルアーリウス
フェブルウス神 Februus の月(「贖罪」を司る冥府の神)

 3月(31日) Martius マールティウス
軍神マールス Mars の月

 4月(30日) Aprilis アプリーリス
愛の女神アフロディーテーの月(この語を拝借したエトルリア語アプル apru が語源)
(「アポロン」を借用したエトルリア語アプル aplu が語源とも)

 5月(31日) Maius マーイウス
豊饒の神マーイア Maia の月

 6月(30日) Junius ユーニウス
女神ユーノー Juno の月

 7月(31日) Julius ユーリウス
ユリウス・カエサルの誕生月(ヌマ暦での「5番目の月」をユリウス暦で改称)

 8月(31日) Augustus アウグストゥス ★ !
初代ローマ皇帝アウグストゥスの月(ユーリウス暦での「6番目の月」をアウグストゥスが改称)

 9月(30日) September セプテンベル 7番目の月

10月(31日) October オクトーベル 8番目の月

11月(30日) November ノウェンベル 9番目の月

12月(31日) December デケンベル 10番目の月

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8本足のタコと10月 nº3 – Juillet の由来。