8本足のタコと10月 nº3 – Juillet の由来。

Coucou !!

あれ・・・
フランス語音声つき会話のブログのはずなんだけど、だんだん雑学ブログっぽくなってきてるのは気のせいですか?

のどの調子と師匠がもどるまで、もうちょっとだけ KiKi の戯言におつきあいくださいませませ♪

第3章 ユリウス暦

このヌマ暦がばっちりうまくいっていたかというと・・・仮にもしそうだとしたら、今ものこっているはずですよね。

かなり割愛させていただきますが、この暦法、とってもいい加減に運用されていました。お役人さんたちがテキトーにすませていたようです。

暦と季節のずれを埋めるはずの閏月を、年によって置いたり置かなかったり・・・そのときの気分次第

当然、ズレはどんどん大きくなっていったわけで、ユリウス・カエサルの時代にはすでに3ヶ月以上もの誤差が。

「収穫祭が夏の季節とずれ、葡萄の摘み取り祭が秋の季節と合わなくなっていたほどである。」
(スエトニウス『ローマ皇帝伝』国原吉之助訳)

紀元前46年、カエサルが太陽暦である『ユリウス暦』への切り替えを断行した年には、23日の閏月、プラス11月と12月の間にふた月と67日をおいたのだそう。

だから、なんとこの年は、1年が15ヶ月、合計すると445日間もあったのですって!!!

で、カエサルは、それまで「5番目の月」Quin(c)tilis と呼ばれていた自分の誕生月7月に、Julius ユーリウスと自分の名前をつけてしまったのです。さすが、時の人。

それが、今の July (= juillet) なんですって。(これは知ってるかたも多いのでは?)

ちなみに、下の表を見るとわかるんだけど、ユリウス暦では、大の月(31日ある月)と小の月(30日の月)が閏月の2月以外は、きちーんと交互にならんでますね。

じゃあ、なんで今は「西向く士(二四六九士 = ニシムクサムライ)」なんてやらなくちゃ、大の月と小の月がわからないくらいに変則的になっちゃったの?

これにも、またある歴史上の人物がからんでくるのです・・・

ユリウス暦

 1月(31日) Januarius ヤーヌアーリウス
 2月(29日) Februarius フェブルアーリウス
 3月(31日) Martius マールティウス
 4月(30日) Aprilis アプリーリス
 5月(31日) Maius マーイウス
 6月(30日) Junius ユーニウス
 7月(31日) Julius ユーリウス ★ !
 8月(30日) Sextilis セクスティーリス
 9月(31日) September セプテンベル
10月(30日) October オクトーベル
11月(31日) November ノウェンベル
12月(30日) December デケンベル

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

実はこの本、この章を読み終えて、すこし進んだところでリタイアしてしまったの。

内容は、とっても濃くてとっても興味深いのだけれど、同時に出てくるラテン語の語源、ラテン語表記やギリシャ語表記、同じ語源をもつヨーロッパのほかの言語がたくさん並んでいて、ひとつの章の中の情報量があまりにも多すぎたのです。まだフランス語でさえ駆け出しだったわたしにはしんどかったです。

フランス語のボキャブラリーさえ少なかったわたしにはせっかくおもしろい話ばっかりなのに、それがぴったりとフランス語でイメージしにくくて、もっとフランス語が分かるようになってから読もう、と封印してしまったのでした。

でも、これを書くためにぱらぱらとまためくってみたけれど、今なら理解できるおもしろい話が満載です。語源やことば同士の意外なつながりに興味のあるかた、ぜひぜひ読んでみてください。おすすめです!!

[amazonjs asin=”4560003157″ locale=”JP” title=”フランス語の小径―たのしい意味世界への誘い”]

8本足のタコと10月 nº1 – 1年が10ヶ月しかない!
8本足のタコと10月 nº2 – ズレた2ヶ月。
8本足のタコと10月 nº4 – ニシムクサムライ。