朝ごはん・昼ごはん・晩ごはん Nº1

Coucou !!

今日は、中世に生まれたことば、「お昼ごはん」déjeuner デジュネ のおはなし。

みなさん、ちょうど今ごろお昼休みかな?

このことばにはね、長い長い歴史が背景にあるのです。

わたしの大好きな語源の本 Les Origimots と、以前「フランス語の小径」で読んだものを、あれこれモンタージュしてお届けします♪

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

朝起きるとみんな、à jeun アジャン「すきっ腹」・・・
つまり、胃の中になんにもない状態だよね。

à jeun はラテン語で同じ意味をもつ jejunus から。)

そんな「断食・絶食」jeûner ジュネ の状態を「解除する」dé- のが déjeuner デジュネ  です。

12世紀頃には、1日の最初に食事することを se desjeuner ス デズジュネ といってたんだって。
このへん、ややこしいけど。

もっと掘り下げると・・・

これは中世ラテン語のおなじ意味をもつことば

「解除する」dis +「断食」junare = disjunare

が変化して dîner ディネ になるほうが先だったのね。

英語の breakfast もこの構造です。

「解除する」break +「断食」fast = breakfast

さて・・・お気づきかしら?
そうです、「断食」を「やめる」、つまり1日で最初の食事 =「朝ごはん」のことを当時は dîner と呼んでいたのです。

その時代には、1日2回しか食事 repas ルパ をとる習慣がなかったのだそう。

朝起きて、ひと仕事を終えてすきっ腹を満たすのが dîner.

じゃあ、夕食はなんて呼ばれていたかというと・・・
souper スゥぺ なのです。

なんで souper ???

soupe スープ ってことばがあるよね。
soupe はその昔、「パン」の意味だったんだって!!

当時はそんなにものがなかったから、カチコチになったパンに、野菜などを煮込んだ汁をかけて食べていたのだそう。

それがいつのまにか、その「汁」のほうを soupe と呼ぶようになった。
これは前にかるくふれましたね。

で、それが夕食だったことから、「夕食をとる」という動詞 souper ができました。

昔の人びとは、太陽しか明かりがないから、日の出とともに起き、日の入りとともに1日がおわります。
だから、夕食の時間も早かったのですね。

さてさて・・・

文明の発達とともに、人びとの暮らしも変わってきます。
もともと遅い時間にとっていた dîner が、どんどんくり下がって、お昼ごろになっちゃった。

それで、「朝ごはん」をあらわすために、おなじように

「解除する」dé- +「断食・絶食」jeûner

から、また別のことば déjeuner をつくったってわけ。

この déjeuner =「朝ごはん」になってからいまの petit-déjeuner ということばが生まれるまで、とてもとても長い時間がかかりました。
(今でもベルギーやフランスのある地方では、そのまま déjeuner =「朝ごはん」がのこっているそう)

じゃあ・・・
déjeuner はどうやって「お昼ごはん」になったんだろう?

気になるかたは、つづきを待っててね♪

朝ごはん・昼ごはん・晩ごはん Nº2