磁器とメス豚。

Coucou !!

昨日 chez le coiffeur「美容院」に行ってきました。
カルテを見てもらったら、なんと2年ぶりでした!!

で、3時間くらい座りっぱなしで体中が痛くなっちゃって、ケイタイ portable の電池 batterie を充電 charger するのにアダプター adaptateur をつなごうと手をのばした瞬間、

「グリュッ」

と・・・
Le torticolis です!

これは仏仏辞典で調べると

Douleur rhumatismale du cou.
「リウマチ特有の首の痛み」

とあるのですが、寝ちがえたときのような「筋肉のねじれ(筋をちがえちゃったもの)」もだいたいこんなふうに呼びます。

でも、日本語に浸透した「リューマチ」rhumatisme ということば、やっぱり「風邪」rhume とつながってたんですね。
ギリシア語源だそうです。

最近、わたしのフランス語への興味が方向転換したのか、ブログの話題がすっかり語源づいてしまって、なんだか読者のみなさんとの温度差を感じちゃってます・・・。

やっぱり会話とかのほうが、ふだんつかえるもんね。

でも、自分のアンテナがぴいんと張ってるときに吸収したいから、しばらくブログはお休みしてそっちに集中しようかな、と考えたり。

動かない首にもめげず読み返していた語源の本の中でオモシロイものを見つけたので師匠に話してたら、さらに気になることを発見♪
今日のはちょっぴりエグイので、読みたいかただけつづきをどうぞ。

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読んでたのはこの本なんだけど、その中で、フランス語で「磁器」の語源をたどると、なんと「牝豚」がおなじところからきているという一節。

フランス語では「豚」は porc ポール「磁器」は porcelaine ポルスレーヌ です。

師匠のママンが磁器が好きなので、この porcelaine ということばはよく聞いていたのですが、おなじ porc- がついてたって、「豚」とは結びつきませんでした。

今朝、師匠との会話でまた porcelaine が登場したとき、ちょうど読んだばかりだったので「porcelaineporc は関係があるらしいよ!」といったら「まさか!」と驚きつつも興味を示した彼にこの項を読んできかせました。

まずは「牝豚」について。

「牝豚」はフランス語では truie トゥリュイ といいます。
この語源は、後期ラテン語の troya らしいんだけど、「トロイアの木馬」の「トロイア」からきてるっていうのが有力な説なんだって。

古典ラテン語の中で、「豚のお腹に詰め物をした料理」をトロイアの木馬に見立てて

porcus trojanus
ポルクス・トロヤーヌス
「トロイアの豚」

と呼んだ例があるのだそうです。
で、いろいろな変遷があったわけですが(略します)牝豚自体をこんなふうに呼ぶようになり、これがのちに省略されて troja になったのではないか、と。

イタリア語では troia と呼ばれるこの牝豚、porcella ポルチェッラ という呼び方もあったそう。
イタリア語は分からないけど、フランス語風にみると porc の女性形って感じ?

ここから、ちょっとエグイです。

さて、どこかの誰かが「子安貝」をこの「牝豚」の性器に見立て、「牝豚」porcellaにイタリア語の指小辞 -na(フランス語の -ette のようなもの)をつけた形で porcellana ポルチェッラーナ と呼んだのだそうです。

そして、ひとびとが porcellana の語源を忘れたころに、ヴェネツィア(フランス語では Venise ヴニーズ、ヴェニス)の商人が、中国から磁器をもってきました。

それは子安貝の内側のようになめらかで白く、透きとおっていて美しかったので、ひとびとはそれを porcellana ポルチェッラーナ と呼ぶようになりました。

このイタリア語 porcellana をちょっと拝借、磁器のことをフランスでは porcelaine ポルスレーヌ と呼ぶように。
さらに英語でも porcelain(発音は分かりません) になったんだって。

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さてさて、こんなところからも話はひろがります。

すごく長くなっちゃうので、つづきはまたこんど、ね。
A plus tard !!