出る杭は打たれる。

Coucou !!

昨日はもう、洗濯機 la machine à laver の排水口から水漏れして朝から床が水びたし・・・最悪でした!

水道の修理屋さん le plombier がすぐにきてくれたのだけど、結局原因が分からず、今日またべつの plombier にきてもらうことに。

余談ですが、この plombier ということば、「鉛」plomb からきています。

昔のガス管や水道管は、plomb でできてたんだそう。

で、それを工事するひとを plombier と呼ぶようになったんだけど、その後、plomb が体に悪いと分かってからはもちろん水道管の材料にはできなくなったけど、plombier という職業名は生きのこったんだって。

というわけで、水の大切さを思い知らされている週末とはぜんぜん関係ない、こんなことわざをどうぞ。

On ne jette des pierres qu’à l’arbre chargé de fruits.

「ひとは実のなった木にしか石を投げない。」

* ne que … : ・・・しか○○しない
* jette : jeter「投げる、ぶつける」三・単・直・現
* pierre(s) [n.f.] : 石
* à : ・・・に
* arbre [n.m.] : 木
* chargé de … : ・・・で詰まった、覆われた
* fruit(s) [n.f.] : 果物、実

つまり、実りがおおい(= 優れている)ほど人目につきやすく、ほかのひとびとはなんとかしてそれを取ろうとする。
でも手が届かないもんだから石を投げる(= 批判・攻撃する)っていう感じだそうです。

果実が豊富なヨーロッパらしいことわざ。
日本の「出る杭は打たれる」は似た意味でも、「出てると危険だから打っておこう」的なニュアンスを感じます。

これ、世界のことわざ辞典でも探してみました。
おもしろいのがね、こちらでは「出る杭は打たれる」にあてはまるものとしては載っていないのね。

しかも、中東・・・ペルシャ語、クルド族、アルメニア、クロアチア語[ユーゴスラビア(現在セルビア・モンテネグロ)] それからルーマニアあたりのものだそう。

しかもしかも、こちらは否定形。

「実のない木には、誰も石を投げはしない。」

だって!
フランス語にすれば

À l’arbre sans fruits, personne ne jette jamais de pierres.

ってとこかなぁ・・・。
師匠に聞いたらもっとスマートないい方があるかも。

で、フランスのことわざのような肯定形も存在してる。

「石が投げられるのは実のおおい木だ。」

こっちはダイレクトだね。
これは、トルコ、ヒンディー語のことわざなんだって。

つぎのようなのもあるそうです。

「実のない木には棒は投げつけられない。」(チェチェン)

「お前がナツメヤシの木ならば馬鹿どもに石を投げつけられる。」(アムハラ族)

「質の悪いナスは虫に喰われない。」(ペルシャ語)

「苦いナスは盗まれない。」(トルコ)

どれもアラブ・アジア系なのかな?
(地理にはまったくうといです、ごめんなさーい)

フランスのこのことわざは載っていませんでした。
もともとフランスのことわざなのか、それとも伝わってきたものなのかは不明。

いずれにせよ、ほかより目立っているとなにかしらダメージを与えたくなる、っていうのは、いつどこの世界でも人間の心理なのでしょうね。

その対策として、こんなことわざもあります。

Pour vivre heureux, vivons cachés.
プルヴィーヴルウールー、ヴィヴォンカッシェ。
「しあわせに生きたいのなら、隠れて生きよう。」

あらら・・・
わたしはそんなの耐えられないなぁ。

では、ステキな週末を!
Bon week-end !!