フランス語の句読点クイズ。

Coucou !!

ねえねえ、こんなことばあそび覚えてる?

「ここで、はきものをぬいでください。」
「ここでは、きものをぬいでください。」

句読点の位置が変わっちゃうと、意味が全然ちがっちゃうんだよね。

それとはまた別だけど、フランス語も句読点があるかないかでまったく別の意味になっちゃうことがあります。
下のふたつの文章のちがい、分かるかな?

Le président n’est pas mort, comme on l’avait dit.
ルプレズィダンネパモール、コモンラヴェディ。

Le président n’est pas mort comme on l’avait dit.
ルプレズィダンネパモール コモンラヴェディ。

このふたつ、ぜーんぜん意味がちがいます。
句読点がたったひとつ、あるかないかなのにね。

では、フランス語になれてない方のためにヒント。
これを、ふたつの文章に分けてみるよ。

Le président n’est pas mort.
ルプレズィダンネパモール。
「大統領は死んでいない。」

Comme on l’avait dit.
コモンラヴェディ。
「わたしたちがそれをいっていたように。」

どう?わかった?

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それでは答え!

1. Le président n’est pas mort, comme on l’avait dit.
ルプレズィダンネパモール、コモンラヴェディ。
「大統領は死んでいない、われわれがそういっていたようには。」

2. Le président n’est pas mort comme on l’avait dit.
ルプレズィダンネパモール コモンラヴェディ。
「大統領は、われわれがいっていたようには死んでいない。」

つまり・・・

1. の文章では、大統領は死んでいません。
みんなは「大統領は死んだよ」とウワサしてたんだけど、大統領は死んでいなかった、という意味の文章。

句読点で区切られた comme on l’avait dit はその前の節、le président n’est pas mort すべてを修飾(っていうの?)しているのですね。


2. の文章では、大統領は死にました。
けれども、みんながいっていたような死に方はしていない、ってこと。

区切られずにつながっている comme on l’avait dit は、直前の mort の状況を補足しているので、「われわれがいっていたような死ではなかった」となるのです。

ごめんなさい、文法的な説明は苦手です!
ニュアンスで分かってもらえたらうれしいなぁ・・・

それにしても、句読点ひとつでこれだけ意味が変わっちゃうなんて、おもしろいよね。
それに、自分で文章を作るときにも気をつけなくっちゃ。

なかなかおもしろいので、もうちょっといってみる?

最初に書かれた質問がキーポイントになってます♪
よーく考えてみてね。

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キミの夫はキミを裏切った?

1. Tu l’aimes tant, qu’il ne te trompe pas.
テュレームタン、キルヌトゥトロンプパ。

2. Tu l’aimes tant qu’il ne te trompe pas.
テュレーム タンキルヌトゥトロンプパ。

* こたえ *

1.「裏切っていない。」

tant … que … は「とても・・・なので・・・」という意味。
つまり、この文章を日本語に訳すと「キミは彼をとても愛しているので、彼はキミを裏切らない。」

2.「まだわからない・・・」

tant que … は「・・・であるあいだは」という意味。
だから、この文章の日本語訳は「彼がキミを裏切らない間は、キミは彼を愛している。」つまり、まだ裏切ってはいないだろうけど・・・ってこと。

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あなたの夫は何をいうの?

1. Votre mari ne dit rien, sans raison.
ヴォートルマリ ヌディリャン、サンレゾン。

2. Votre mari ne dit rien sans raison.
ヴォートルマリ ヌディリャン サンレゾン。

* こたえ *

1.「なんにもいわない!」

sans raison は「意味もなく、理由なく」という感じ。
つまり、夫はなにも話さない、別にこれといった理由もなく・・・
・・・倦怠期?

2.「理屈の通っていることだけいう。」

こっちは dire rien という行為の条件としての sans raison
つまり、日本語にするなら「夫は理由なくして(いい加減なこと)は何もいわない。」

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このひと、何人の姉妹がいる?

1. Ma soeur, qui travaille à Paris, vient de se marier.
マセゥール、キトラヴァイユアパリ、ヴィヤンドゥスマリエ。

2. Ma soeur qui travaille à Paris vient de se marier.
マセゥール キトラヴァイユアパリ ヴィヤンドゥスマリエ。

* こたえ *

1.「ひとりだけ。」

ここでは、ふたつの virgules「カンマ」がキーポイント。
このふたつの「カンマ」、フランス語では parenthèses「カッコ」とおなじ役割を果たすのだそう。
で、カッコ内はただの説明で、重要ではないんだって。

ということは、日本語にするとこんな感じ?
「わたしの妹[姉](パリで働いている)は結婚したばかりだ。」

2.「何人かいる。」

こちらは「パリで働いている」が virgules で囲まれてません。
なので、これはどの妹[姉]かを示す重要なポイント。

「わたしの(姉妹のうち、)パリで働いている妹[姉]は結婚したばかりだ。」
こんな感じになるので、答えは「複数の姉妹がいる」なのね。

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これ、実は師匠がフランスから買ってきてくれた Au palais des Congrès という本からの出題でした♪
今日は、句読点のものだけにしぼってみたよ。

そのほかにもね、大文字か小文字か、アクサンがあるかないか、ビックリマークがあるかないか、イタリック体かそうじゃないか、そしておなじ形容詞でも名詞の前にあるか後ろにあるか、そんな微妙な差があるふたつの文章の、意味のちがいをクイズ形式で理解するっていう本なのです。

機会があったら、またやりましょうね。

それではステキな週末を!!
BON WEEK-END !!