マシェリ・モナムール。

ご存じの方も多いでしょうが、フランスで使われる愛称についてのおはなし。

Ma chérie

(女の子へ)

Mon chéri

(男の子へ)

これは誰しも耳にしたことがあるのでは?「マシェリ」っていうシャンプーもあるものね。
「ぼくの(わたしの)大切なひと」という意味で、恋人や、可愛いこどもたちをこう呼びます。

気をつけたいのは、cher / chère とはちがうということ。
cher / chère は「親愛なる○○」として手紙の最初などに書きますが、chéri / chérie は本当に近い相手に対してしかいえません。

そんなに仲よくない相手や知り合って間もない相手に、Ma chérie なんていわれると、ちょっと(かなり)びっくりします。(経験上、わざとこういって距離感を錯乱させる男多し。)

フランス語では、会話の中では tu, vous, il(s), elle(s) など人称代名詞で話すので、ふだんの会話でも、恋人や子どもたち、妹や弟、姪甥などの自分よりちっちゃな愛すべきひとたちへの呼びかけや、ことばのおわりには必ずこういう愛称をくっつけます。

それが、とても愛が感じられてステキ。

例えば・・・
元気?って聞くただそれだけでも、

Comment vas-tu, ma chérie ?

「元気かい、マシェリ?」

なんかつくろうと思うけど、

Mon chéri, tu n’as pas faim ?

「モンシェリ、お腹すいてない?」

ママー、おもちゃ壊れちゃったーと娘が泣き出したら、髪をなでながら

Je suis désolée, mais je n’y peux rien, ma chérie.

「ごめんね、でもママにはどうにもできないのよ、マシェリ。」

ほかに、主なものっていえば、

Mon amour

「わたしの愛」ってことだけど、これはよく聞きますね。シャンソンでもしょっちゅう登場することばだし、こんな名前の「喫茶店」も日本には多いですよね。

これは、男女兼用の呼び名です。最初はこう呼ばれるたびに「恥ずかしいなぁ」と思っていたんだけど。

このほかにも、かわいい愛称はたくさんあります。「ぼくのお姫さま」「ぼくの子鹿ちゃん」「ぼくのキャベツちゃん」

今いちばんつかわれてるのは「ぼくのノミ」、そう、ノミ!

「蚤の市」といい、ノミとフランス語の関係をいちど歴史をさかのぼって調べてみる必要がありそう。

長くなっちゃうので、ほかの愛称についてはまたあとで、ゆっくりご紹介します。

さて、今日はとうとうヴァレンタイン・デー!
みなさん、素敵な素敵なヴァレンタインの夜をお過ごしください!

Joyeuse Saint Valentin à tous les amoureux !