眠れる森の美女。

Coucou !!

師匠里帰り中につき、またまた音声のつくれない日々がつづいてます・・・
どうやら親シラズ les dents de sagesse が痛むらしくて4本いっぺんに抜く手術をするんだそう。

1週間はものを食べられないんだって・・・
日本みたいにちょっとずつ抜けばごはんも食べられるのにね。

親シラズを抜いたときは、仕事も休まなくちゃいけないんだって。
そうとう大仕事なんですね。

昨日はうちのお嬢さんと BALLET の発表会を見てきました。
演目は La Belle au Bois Dormant「眠れる森の美女」。

このタイトルは、文法よりもことばの響きを重視した、とても詩的な表現だそうです。

うーん、この Dormant ってなあに?
これは動詞 DORMIR「眠る」の現在分詞ですね。
現在分詞が形容詞的につかわれている例です。

英語のタイトル < Sleeping Beauty > を考えれば、この DormantLa Belle「美女」を形容しているのですが、日本語に訳されたほうを見ると眠っているのは「森」。

この邦題は、シャルル・ペロー原作のほうを訳したものですね。
その前のグリムは「いばら姫」としています。

そしてもっとオリジナルは・・・伝承民話です。

さあ、ここでまた師匠と議論発生。
「眠っている」のは『美女』なのか『森』なのか。

みなさんはどっちだと思う?

わたしは『森』だと主張。
邦題のイメージもかなり影響しているでしょうが、『美女』だとしたらなぜ La Belle Dormante au BoisDormant が女性形をとらないのか。

師匠の意見は「眠っている」のは『美女』。
「これはあくまで『現在分詞』で、形容詞的につかわれているに過ぎないんだよ。その場合は性と数の一致はおこわれない。」と・・・。

たしかに動詞性がよりおおきい現在分詞、たとえば「森の中で眠っている美女」とするときには

La Belle Dormant dans le bois
(文法的にはこの表現が正しいのだそう)

と性と数の一致はおこわれないのです。

おなじく形容詞的につかわれている現在分詞でも、これがただ単に「眠った美女」と形容詞性が大きい場合

La Belle Dormante

とやはり形容詞と同じように性と数の一致がおこなわれるのです。

ほかの文法書には「永続的な性質」である場合、と書かれているので La Belle Dormante といえるかはすごく微妙ですね。

最初は永遠に眠りつづけるはずだったのだから・・・

それだったらと、語順が不自然なんじゃない?といっても、それは詩的な響きにするためだっていうんだけど。
納得いかない・・・

でもたしかに、最初に眠らされるのはオーロラ姫で、それから次々にまわりのひとびと、お城が眠り、いばらが野放しに生い茂ってお城を覆いかくしてしまう・・・
そんな映像がかけめぐります。

のび放題のいばらの森、ってことは、森は眠っていないのかも・・・

うーん、今回ばかりは半信半疑。
師匠は童話なんかの分野にはそんなにくわしくないからね。
シャルル・ペローに直接訊いてみたい!!

みなさんは、どう思う?

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前置きが長くなってしまいましたが、こんなふうに、現在分詞は形容詞的につかうことができたり、また現在分詞からつくられた形容詞というのもたくさんあります。

現在分詞には形容するほか、「・・・しながら」「・・・すれば」「・・・と同時に」などをあらわせる、とっても便利なジェロンディフというものもあります。

だらだらと冗長になりがちな表現をスマートにしたり、いろいろな表現の可能性をはらんでいる大切な要素です。

というわけで、つぎのレッスンでは現在分詞をつくってみましょ♪