「冠詞+数詞+名詞」VS「数詞オンリー+名詞」

Coucou !!

今日はまず、昨日いただいた、とっても役立ちそうなご質問から。
以下がその引用です。

>> 以前例文で
>>
>> Le canal joint les deux océans.
>> 「その運河は二つの大洋をつないでいる」
>>
>> というのを見かけたのですが、この les deux というのはなんでしょうか?
>> 普通に deux océansles deux océans とではどう違うんですか?

みなさん、コレわかるかしら?

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さて、ふたつの文を比べてみましょう。

Le canal joint deux océans.
「その運河は二つの大洋をつないでいる」

Le canal joint les deux océans.
「その運河は二つの大洋をつないでいる」

日本語にすると同じに見えますが、ここにはひそかに大きなちがいが隠されています。
もちろん、定冠詞 les がミソだよね。

定冠詞 le, la, les をつかうときには、まずは文脈を見てあげる必要があります。

この文章の前に、もしも「ふたつの大洋」deux océans がなんなのかをハッキリ限定する文章があったなら、これは「そのふたつの大洋」の「その」を強調しているのでしょう。

それにしても、その場合には

Le canal joint ces deux océans.
「その運河はその二つの大洋をつないでいる」

指示形容詞をもちいるほうが自然だと思われます。

そして、ここでのご質問は

>> 普通に deux océansles deux océans とではどう違うんですか?

ですから、単独の文章としてとらえてみます。
ではもう一度、さきほどの例文を。

Le canal joint deux océans.
「その運河は二つの大洋をつないでいる」

Le canal joint les deux océans.
「その運河は二つの大洋をつないでいる」

ひとつ目の文章での deux océans には deux という数詞だけで定冠詞がありません。

つまり、これは暗に

「(ほかにいくつでもあっていい océans のうちの)ふたつ

をあらわしています。

それに対して、定冠詞をともなった les deux océans のほうはまわりにふたつしか océans がない状態と考えられます。

なぜかというと、定冠詞は「既出・限定のもの」をさすほか、このように話の中ではじめて登場するときには(用法によって)les + 名詞 で「すべての○○」という意味になるからです。

さらに les + 数詞 + 名詞 では「X個ある○○のうちのX個すべて」と限定することになります。

ただし、ここで注意!!

この les + 数詞 + 名詞 は「だいたい・・・」「・・・近く」「・・・くらい」という感じで、時間・値段やお金・重さやサイズにもちいられるほうが一般的。

Je pèse dans les 65 kg.
「わたしの体重は65キロくらいだ。」

Il arrive vers les 3 heures.
「彼はだいたい3時頃つくだろう。」

Mathilde cherche un appartement dont le loyer est dans les 700 euros.
「マチルドは家賃が700ユーロ程度の部屋を探している。」
* dont についてくわしくはコチラからどうぞ

こんな感じでつかいます。

例文にはどれも dansvers がついていますが les + 数詞 + 名詞 だけでこんなふうにいえる表現もあります。
(ごめんなさい、例文が思いつきませんでした!!)

でも「大洋がだいたいふたつくらい」なんてありえないよね。

なので、les deux océans といえば

「(ふたつある océans のうちの)ふたつとも

つまり、ふたつしか océans がないと読めるのです。

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こんなふうに、いろんな面から推理していくとオモシロイよね♪

では、またあとでね!
À tout à l’heure !!