フランス語らしく話す ・・・ Nº1 母音 E の省略

Coucou !!

さて、今日はひさびさに、発音について。
こんなご質問をいただきました。

>> 実際の会話でスピードが上がったとき、どの音節がカットされるとか、どこが省略されるとか
>> (例えば ne pasne は良く省略されますね)
>> 是非是非レッスンお願いします。

これ、とってもおもしろいテーマですね。
それではさっそく、いってみましょう♪

まずは、ご質問の中にあった ne pasne を省略する点について。

日常会話ではだいたい省略します。
フランス語会話学校の初級クラスにちょっぴり通っていたときにも ne を省略するようにしつこく直されたよ。

でも・・・口述試験や書きことばでこれは NG !!
テストでは確実に減点されちゃうんだって。

だから、仏検や DELF/DALF なんかを受けようと思ってるひとは TPO にあわせて使い分けられるようにしといたほうがいいかも。

たとえば ↓↓↓ の例文をゆっくりハッキリいってみます。

Je ne sais pas.

ジュヌセパ。
「わかりません。」「知りません。」

ne を省略すると

Je sais pas.

ジュセパ。(あえてふりがなをのこしています)

さて、ne を省略しないで早くいう場合には?

Je ne sais pas.

ジュンセパ。

e の音がおっこちちゃいます。
J も「ジュ」とはっきりいわず、「ch」にちかい、濁点がとれたような音になります。

省略したところをアポストロフでつなぐとこんな感じ?

J’n’sais pas.

発音のきまりでは、おちるのは nee だけ、つまり e がつづいたときはふたつめの e だけで

Je n’sais pas.

となるんだけど、会話ではけっこう Jee もおちちゃうときがおおいんじゃないかと思います。

ne を省略して J’s とくっつけちゃうなら

J’sais pas.

シェパ。

と、こんなに発音が変わっちゃいます。

こんなの、見かけたことないかな?

p’tit

詩や歌詞にはよくこうやって e を省略して、アポストロフでつながれているものがあります。
pティ」と p の子音だけを発音します。

子音だけ発音するって、日本語になれているわたしたちにはあまり簡単なことじゃないですよね。

たとえば「ぷ」といってみると分かるんだけど、くちびるを閉じて破裂音(つまり p の音)を出すとき、日本語だと「う」の音を出しながら発音します。

くちびるが開いた状態でも発音はつづいていて、u「う」の音がのこっているのがわかりますか?

この p を出すときに「う」といわずに、息をちょっぴり抜いただけの状態でつぎの音 t をつづけて出すのが e をおっことすということ。

これがなかなかむずかしくって、何度も練習させられました!

それではこの p’tit の発音、ハッキリいったものと、子音だけいったものを聞きくらべてね。

ついでに、女性形の p’tite もどうぞ。

この「子音だけの発音」は、語尾が e のときはつねにおこなわれます。
(語尾の e はもともと無音の eとよばれます)

そして p’tit のように、語尾だけでなく文・単語の中でもこの e をおとす「子音だけの発音」はおこなわれます。

さっき J’sais pas. の例で見たように Jee もよくおっこちます。
J がつぎの音とくっついちゃうところに注意!

Je suis fatiguée.

ジュスュイファティゲ。
「わたしは疲れている。」
↓↓↓

↓↓↓
J’suis fatiguée.

シュイファティゲ。

と、こんなかんじ。

つぎの例文を見てください。

Je l’ai sur le bout de la langue.

ジュレスュルルブゥドゥララング。
「わたしは舌の先にそれがある。」(= のどまで出かかってるんだけど。)

以前に今日のひとことでも取り上げたフレーズなんだけど、これはおっことしどころ満載です。

ちょっとずつ区切ってゆっくりハッキリなものと e が省略されて早いもの、聞きくらべてみましょう。
音の変化によぉーく気をつけてみてね♪

je l’ai

sur le bout

de la langue

では、こんどは全部つなげて聞いてみてね。

J’l’ai sur l’bout d’la langue.

JレスュRLブゥDラランG。

アルファベで書いたところは、すべて子音のみの発音。

P, J 以外で、このフレーズに出てくる子音だけの発音のしかたを見てみましょう。

L は舌を上あごにつけて舌の両脇から息を抜いて発音します。

子音だけの発音では舌を上あごにくっつけた状態で次の音(ここでは b)にうつります。

D は舌を上前歯につけて軽くはなすとき、発声する音。
子音だけの発音では母音を発声しないため、この音より軽めの t の音に近くなります。

t では舌を上前歯からはなすときに発声せず、息を抜く音だけで発音します。

ほかの子音については、本家サイト 「学校行かずにフランス語!」基礎編 の「発音の基礎」>>「音とつづり字」>>「子音の発音」のページですべてくわしくみることができます。

最後に、dee がおっこちることによって d’su- がくっつき、新しい「ツュ」と聞こえる音に変化していることがよく分かるフレーズを。

À tout de suite !!

アトゥードゥスュイットゥ!
「また、すぐに!」
↓↓↓
À tout d’suite !!

アトゥーTSュイT!

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最初はなかなか難しいけれど、練習をつづけるうちに、だんだんフランス語の発音に近づいてくるのがわかっておもしろいんじゃないかと思います。

ほんとうは、音節や文のいくつめの e をおとす、e にはさまれた e はおとす、とかなんとか e の発音には細かい法則があるんだけど、はじめのうちは
発音しやすいように自然にやってみればいいんじゃないかな?

おとしやすい e とおとしちゃうと発音しづらい e があることにだんだん気づいてくると思います。

この母音 E について、くわしくは↓↓↓のエントリを参考にしてね♪

LES VOYELLES・・・母音 Nº1
母音 E

次回は、子音まで聞こえなくなっちゃう場合の発音について。

それではみなさん、BON WEEK-END !!