T’inquiète !

さて、この辺で、さきほどの代名動詞をふまえて、ひみつの M さんの質問にお答えします。

「タンキエットゥ」とはどういう意味か・・・です。

これ、なかなかビックリな結果が出たので、「inquiéter なんて動詞知ってるよ〜」って方も、最後のほうを読んでいただけたらおもしろいかもよ。

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inquiéter は「・・・を心配させる・不安にさせる」「・・・の気をもませる」という他動詞です。

Tu m’inquiètes.
テュマンキエットゥ。
「きみはわたしを心配させる。」

Ça m’inquiète de l’entendre.
サマンキエットゥ ドゥランタンドル。
「それを聞くのはわたしをハラハラさせる。」
(= それを聞くとわたしはハラハラする。)

なので、自分が(勝手に)心配するときには s’inquiéter という代名動詞にして

Je m’inquiètes pour toi.
ジュマンキエットゥプルトワ。
「わたしはきみのことを心配している。」

「誰のことを」というとき、この動詞では pour qn をもちいます。

さてさて、前置きが長くなってしまいましたが、「タンキエットゥ」と聞こえたなら・・・

Tu t’inquiètes.
テュタンキエットゥ。
「きみは心配している。」

の否定命令、

Ne t’inquiète pas.
ヌタンキエットゥパ。
「心配しないで。」

これが省略されて

T’inquiète pas.
タンキエットゥパ。

さらに、こんなにも?っていうくらい省略されて

T’inquiète.
タンキエットゥ。

になっちゃうんだって!!!
ちょっと、いえ、すんごくびっくり。

丸裸にされちゃって、ちょっとかわいそう・・・

実際、nepas さえも見あたらなくって、ぜんぜん文法にとらわれてないこの表現じゃ否定命令だかなんだかも、わたしたちにはわからないわけですが・・・

ネイティヴのあいだではよくつかわれるらしいですよ。

もし仮に、これが肯定命令なら下のような表現はありません!!

Inquiète-toi.

と、補語は動詞のあとに、形を変えて trait d’union (トレ・デュニオン:ハイフン)でつながれるので、

T’inquiète.

とはなりえないのです。

はじめ、師匠に聞かずに、いろいろな場合を想定して書いてたんですが・・・
いきづまってしまったので、師匠に質問したら、まったく想定外の答えが。

これには、わたしも目からウロコでした!

いやぁ、今回はほんと、勉強になりました!
質問をくださったひみつの M さん、ありがとうございました♪