8本足のタコと10月 nº2 - ズレた2ヶ月。

さてさて、今日は「なんで8本足のタコ」と「10月」におなじ octo- がつくのか、第2回目です。
さっそくいってみましょうね♪

第2章 ヌマ暦

次のヌマ暦は、紀元前710年から約600年にわたってつづきました。

このヌマ暦が定められたとき、なまえのなかったふた月、11月に「ヤーヌス神」Janus に由来する Januarius, 12月に「フェブルウス神」Februus の Februarius が新たにもうけられたのです。

はじめは、以前のロムルス暦のように Martius (= March) つまり3月が相変わらず年の始まりでした。

このヌマ暦では、いちおう1年=12ヶ月という形ができ、年間355日の太陰暦がととのったわけなのですが、それでも月の満ち欠けに基づいてひと月のサイクルを決める太陰暦の暦日は354日しかしかなかったため、太陽の巡りにしたがって1年365日をもつ太陽暦と、季節の上でのズレが当然でてきます。

それで、そのズレを埋めるために、2年ごとに交互に、22日か23日のメルケドニウスとよばれる閏月を Februarius の23日と24日の間にもうけました。

この Februarius の23日というのは、国境を司る神 Terminus の祭り「テルミナーリア祭」の日で、盛大なこの行事が当時のローマの人びとにとって1年を締めくくる節目だったのだとか。

どんなふうに閏月を運行していたかというと・・・

Februarius の23日がおわると閏月メルケドニウスの1日、2日、3日・・・と22日または23日まですすんで閏月が終わり、また Februarius の24日にもどるのです。
・・・ややこしい。

ヌマ暦

 1月(31日) Martius マールティウス
 2月(29日) Aprilis アプリーリス
 3月(31日) Maius マーイウス
 4月(29日) Junius ユーニウス
 5月(31日) Quin(c)tilis クイン(ク)ティーリス
 6月(29日) Sextilis セクスティーリス
 7月(29日) September セプテンベル
 8月(31日) October オクトーベル
 9月(29日) November ノウェンベル
10月(29日) December デケンベル
11月(29日) Januarius ヤーヌアーリウス ★ !
12月(28日) Februarius フェブルアーリウス ★ !!

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その後、紀元前153年にヌマ暦の改革がおこなわれ、このとき Januarius が年の始まりに定められました。
January (= janvier) がやっと現在の1月の位置にあがってきたわけですね。

ここで、ほら、当時の11月だった Januarius が1月に昇格した(?)ことによって、本来「〜番目の月」をあらわした月の名前と数字のあいだで2ヶ月のズレが生じたのです。

いまの10月が「8番目の月」という名前なのは、つまり、暦ができたときに1年の始まりだった春分の日、3月から数えて「8番目」ということだったのですね。

でも、Februarius に閏月をおくというすでに生活にしみこんでしまった古い習慣はのこり、いまだに閏年の2月 February (= février) でずれの調整がおこなわれている、というわけなのです。

はい、スッキリ♪♪♪

ここで、さっきまでの不思議はとけたのですが・・・
もうすこし、物語はつづくのでした。

ヌマ暦の改革

 1月(29日) Januarius ヤーヌアーリウス ★↑
 2月(28日) Februarius フェブルアーリウス ★↑
 3月(31日) Martius マールティウス ↓↓
 4月(29日) Aprilis アプリーリス ↓↓
 5月(31日) Maius マーイウス ↓↓
 6月(29日) Junius ユーニウス ↓↓
 7月(31日) Quin(c)tilis クイン(ク)ティーリス ↓↓
 8月(29日) Sextilis セクスティーリス ↓↓
 9月(29日) September セプテンベル ↓↓
10月(31日) October オクトーベル ↓↓
11月(29日) November ノウェンベル ↓↓
12月(29日) December デケンベル ↓↓

このヌマ暦では、今の状態にだいぶ近づいてきましたね。

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