Rougir comme une pivoine ・・・ 牡丹のように赤くなる。

Coucou !
Vous allez bien ?

さっそくですが、衝撃の告白を・・・。

わたし、学校に行くことにしました!

といってもフランス語ではなくて、日本語の先生になるための、理論や教授法を習う学校です。ちょうど今年から国家資格ができるそうで、いいきっかけだな、と。入学手続きもすませました。

いばらの道らしいんだけど、なにか新しいこと、確実にいつか仕事につながりそうなことを勉強したくなったのです。

え?
フランス語も中途半端なのに、って?

鋭いご指摘なんですけどね。
でも語学が好きだから、まずは自分の母語である、日本語を極めたくなっちゃったのです。

「学校行かずにフランス語!」の日本語版みたいな、でももっと体系づけたサイトを作る、っていう魂胆があったりして。

なので、「学校行かずにフランス語!」はお休みします。

1年半、修行の旅に出ます。
また帰ってくるかもしれないし、帰ってこれないかも・・・?

どんなことを覚えられるのか、どんなことに出会うのか、とても楽しみです♬♩♫♪♩

さてさて。

意識しないで使っている比喩の表現ってとっても多いですよね。
「泥のように眠る」とか「湯水のごとくお金を使う」とか?

もちろん、フランス語にもあります。

「クジラのように笑う」
「葉っぱのようにふるえる」
「豚のように食べる」

などなど。

「○○のように△△する」というのは国によって文化によって、イメージがちがいますね。

今日は 動詞 + comme + 不定冠詞 + 名詞 を使った「まるで○○のように△△する。」という言い回しで、フランス語の「もの」に対する観念について見てみましょう。

Être + 属詞 + comme + 不定冠詞 + 名詞 を使った「まるで○○のように△△である。」というものは多すぎるので、今回は扱っていません。これも見ていくとおもしろいんだけどね。

ではまずはじめに。

Elle a rougi comme une pivoine.
エラるゥジ コミュヌピヴォワヌ.
「彼女は牡丹(芍薬)のように赤くなった。」

これは容易に想像がつきますね。

「○○のような/に」という表現で、「○○」にくる名詞の数(単数・複数)は主語の数に一致します。

Il mange comme un cochon.
イルまんジュ コマンコション.
「彼は豚のように食べる」
(=食べ方が汚い)

Ils mangent comme des cochons.
イルまんジュ コムデコション.
「彼らは豚のように食べる」

Elle fume comme un pompier.
エルフュム コマンポンピエ.
「彼女は消防士のように煙草を吸う。」
(=煙草をたくさん吸う)

Elles fument comme des pompiers.
エルフュム コムデポンピエ.
「彼女たちは消防士のように煙草を吸う。」

でも表現によっては、複数にしてしまうとおかしいこともあるのだそう。それって見極めるのがむずかしいですよね。ネイティヴじゃないと分からない感覚かも。

さて、なぜ消防士さんはヘビースモーカーなの?
表現の生まれをたどったらいろんな発見がありそうです。

ちなみに「ヘビースモーカー」を例える表現は、“fumer comme une locomotive”「機関車のように」など、ほかにもいくつかあるのですが、やはり “comme un pompier” が師匠にとってはしっくりくるのですって。

ではもうちょっと、見てみましょう。

Dormir comme un loir
ドるミーる コマンロワーる
「オオヤマネのように眠る」
(=冬眠するようにぐっすり長いこと眠る)

例えばこの “comme un loir” を複数にするのは、NG。ぐっすり長いこと眠る人が複数なのは、奇妙なのですって。そういう理屈で見ていけば、分かってくるかもね。

Rire comme une baleine
りーる コミュヌバレーヌ
「クジラのように笑う」
(=おおぐちをあけて笑う、大笑いする)

Trembler comme une feuille
トらんブレ コミュヌフイユ
「葉っぱのようにふるえる」
(=怖くてぶるぶるふるえる、ひどく怖がる)

わたしが「おもしろい!」と思ったのがこれ。

Mentir comme un arracheur de dents
まんティーる コマンナらシューる ドゥだん
「抜歯屋のようにウソをつく」
(=平気で/ぬけぬけとウソをつく)

とってもイメージしやすいですよね?
歯医者に行くと、「はい、痛くないですよ〜♬」ってね。

それにしても、「抜歯き屋」っていう職業があったんですね。
かつて広場で人びとの歯を抜いていた、とは仏和辞典より。
そちらにオドロキです。

Parler français comme une vache espagnole
パるレフらんセ コミュヌ ヴァッシェスパニョール
「フランス語がひどく下手である」
「めちゃくちゃなフランス語を話す」

こちらは、“comme un Basque espagnol” がなまったものだそう(ロワイヤル仏和辞典)で、「スペインの牛・スペインのバスク人のようにフランス語を話す」という揶揄らしいです。

こちらのエントリーも参考にしてね ↓↓↓

いろいろ思うところあって、今回は音声をつけません。
やっぱりネイティヴの音がいいもんね。

「学校行かずにフランス語!」をお休みするのは、別の理由もあります。

わたしは、ひとりでこのブログを書くことができません。
アイディアはたくさんわいてきますが、正しいフランス語・よく(今でも)使われているフランス語・気もちのいいフランス語というのが、ひとりでは分からないんです。

師匠に修正してもらい、確認してもらい、また修正してもらい、また確認してもらい。師匠がわたしの中におりてきて、書かせてくれているようなものです。このブログは、師匠の知識でできているのです。

今度は自分の力で、書いてみたいと思いました。
それじゃないと、なんだか嘘つきな気がして。

とぎれとぎれではありましたが、22年間つづけてきたサイト、18年間つづけてきたブログをを終えるというのは、とても淋しくて、胸がぎゅうっとなります・・・。

今までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。

そのうちふらっともどってくるかもしれないけど、ね。

じゃあまたいつか。
À bientôt !

今日のフランス語単語・重要表現

❈ rougir : 顔が赤くなる、赤面する etc.
❈ comme + 不定冠詞 + 名詞 : まるで・・・のように
❈ pivoine [n.f.] : 【花】牡丹、芍薬

❈ manger : 食べる
❈ cochon [n.m.] : 豚
❈ fumer : 喫煙する etc.
❈ pompier [n.m.] : 消防士

❈ dormir : 眠る etc.
❈ loir [n.m.] : オオヤマネ
❈ rire : 笑う
❈ baleine [n.f.] : クジラ
❈ trembler : ふるえる
❈ feuille [n.f.] : 葉 etc.

❈ mentir : ウソをつく
❈ arracheur [n.m.] : 引っこ抜く/掘り起こす人
❈ dent [n.f.] : 歯
❈ parler : 話す etc.
❈ français [n.m.] : フランス語
❈ vache [n.f.] : 牝牛 etc.
❈ espagnol(e) [adj.] : スペインの