C’est mignon ! と Il est mignon !

Coucou !!

今日はまた、いただいたご質問のなかから、おもしろいものを。

C’est mignon ! セミニョン!

Il est mignon ! イレミニョン!
Elle est mignonne ! エレミニョーヌ!

はどんなときにどうつかい分けるのでしょう?

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さて・・・この c’estil est / elle est のちがいは?

ce は指示代名詞といって、「これ・それ・あれ」をさす代名詞です。

ilelle は主語人称代名詞といって、「彼・彼女」のほか、いちど会話に出てきたものについて「これ・それ・あれ」をさすこともできる代名詞です。

il は非人称構文にもつかえますが、それはまたのちほどね。

mignon(ne) は「かわいい」という意味ですね。
ええと・・・これを gentil(le)「親切な」に置きかえてみると分かりやすいかな?

C’est gentil !
セジョンティ!
「それはご親切に!」
Il est gentil ! イレジョンティ!
「彼は親切だ。」
Elle est gentille ! エレジョンティーユ!
「彼女は親切だ。」

なんとなく、モヤモヤのモの字くらい取れたかしら?

C’est ○○.

というときは、そのときの行為・感情などによる「かわいいなぁ。」「親切だなぁ。」などをあらわします。

フランス語で

Merci, vous êtes gentil(le).
メルスィ、ヴーゼットゥジョンティ(−ユ)。
「ありがとう、あなたは親切ですね。」

といわずに

Merci, c’est gentil.
メルスィ、セジョンティ。
「ご親切に、ありがとう。」

というのは「あなたの性質」に対してでなく「その行為」に対して「親切だ」と表現するからだ、っていうのは前にこちらのエントリでおはなししました。

つまり、

C’est gentil !
セジョンティ!
「それはご親切に!」

がそのときの「行為」についていうのに対し、

Il est gentil ! イレジョンティ!
「彼は親切だ。」

Elle est gentille ! エレジョンティーユ!
「彼女は親切だ。」

というのは彼・彼女の「本質的な性格」をあらわすのです。

じゃあ、mignon(ne)「かわいい」にもどってみると。

C’est mignon ! セミニョン!

これは、見た瞬間、感じた瞬間に発することば。

たとえば、チビッコがかわいいしぐさをしたときや、「うちのパパ、ママンにこっそりラブレターを送ったんだよ」なんてきいたら、

Ah comme c’est mignon !
アー コムセミニョン!
「まあ、なんてかわいいの!」

なんていいます。
で、本質的な部分(性格や容姿)を「かわいい」といいたいなら

Il est mignon ! イレミニョン!
「彼、かわいいね」

Elle est mignonne ! エレミニョーヌ!
「彼女かわいいなぁ」

なんていいます。
もちろん、この「彼」は男性名詞、「彼女」は女性名詞もさします。

かわいい子犬たちを見たら

Ils sont mignons(, ces petits chiens) !
イルソンミニョン(、セプティシャン)!

といえるし、かわいいワンピースを見たら

Elle est mignonne(, cette robe) !
エレミニョーヌ(、セットゥローブ)!

なんていえますね。

ただ、たとえばかわいいブーツをひと目見たときに、ファースト・インプレッションで

C’est mignon !
セミニョン!
「これ、かわいい!」

といってから、もう一度見たときには、もうインプレッションじゃなくて、その「ブーツ」が「かわいい」っていうわけだから、

Enfin elles sont mignonnes(, ces bottes)
エルソンミニョーヌ(、セボットゥ)・・・
「やっぱりかわいいわ(、このブーツ)・・・」

となるわけです。

上で見たように、ce をつかった場合、インプレッションや行為によって「それ・これ」といっているので、形容詞の「性と数の一致」をする必要はありません。

Ah comme c’est mignon, ces bottes !
アー コムセミニョン、セボットゥ!
「まあ、なんてかわいいの、このブーツ!」

とはっきりとものを示していう場合でも、ce をつかった場合には、形容詞の性と数は一致させず、つねに男性単数形です。

Ilce の代用としてや非人称構文としてつかうときでも同じです。

でも「このブーツ」とつけ加えるとき、よくいうのはやっぱり本質をあらわすこちらのほう。

Ah comme elles sont mignonnes, ces bottes !
アー コムエルソンミニョーヌ、セボットゥ!
「まあ、なんてかわいいの、このブーツ!」

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さて、実際にご質問のあった、形容詞 cher「(値段が)高い」をつかった比較です。

C’est cher. セシェール。

Il est cher. イレシェール。
Elle est chère. エレシェール。

のちがいについて。

C’est cher ! セシェール!

これは、さっきのように、ぱっと見て「高い!」と感じたときに発することば・・・ではなく、値段に関してはいつでも ce をつかいます。

Il est cher. イレシェール。
Elle est chère. エレシェール。

Être cher[chère] à qqun は「彼・彼女は・・・にとって大切だ。」という意味になりますが、特別な場合で、あまりこの表現はつかわないそう。

ただ、さっきのように「この○○」なんてはっきり指し示すときには

Elles sont chères, ces bottes.
エルソンシェール、セボットゥ。
「高いわ、このブーツ。」

といえるんだって。

それから水や金、パン・小麦粉などの「物質」が「高い」という意味の être cher[chère] は、つねに主語には ce をもちいなくてはダメ。

ただし「この Volvic の水は高い。」「このパンは高い。」なんてはっきりさすときには ilelle もつかえるんだって。

最後に・・・。

C’est une fille. セッテュヌフィーユ。
C’est ma fille. セマフィーユ。

Elle est une fille. エレテュヌフィーユ。
Elle est ma fille. エレマフィーユ。

のちがいはなんでしょう?

Elle est une fille. エレテュヌフィーユ。
Elle est ma fille. エレマフィーユ。

とは文法的には正しくても、ほとんどいわないそうです。

たとえば紹介するときにも

C’est ma fille.
セマフィーユ。
「これはわたしの娘です。」

といいます。

質問するときにも、

Qui est-ce qui ?
キエスキ?
「あれはだれですか?」

ce をつかいます。
覚えておいてね♪

ほかにこの ceil/elle についてご質問があればお待ちしています♪

じゃ、連休最後の1日をのんびり過ごしてください。
Bonne fête du sport !!