Le Désastre de Notre-Dame de Paris ・・・ ノートル=ダムの大惨事。

昨日の18時50分ごろ、ノートル=ダム大聖堂の後方から火が上がり、大惨事となりました。燃え尽きた尖塔は20時ごろ火に包まれたままポッキリと折れ、溶けるように崩れ落ちてゆきました。3分の2の屋根組みを焼き尽くし、数時間大聖堂を襲った炎は、午前3時の今中継を見る限りでは、消火活動はつづいているものの、だいぶ鎮まっているようです。

いくつかのメディアでは、火事のあと最初に撮影された大聖堂内側の写真を公開していました。辛うじて手前のふたつの塔と1階部分は残った模様です。大切な宝物(ほうもつ)もだいぶ救われた模様。そして本当に奇跡的に、内部の壁などはほぼ手つかずの状態だったそうです。

それでも皆の悲しみとショックは大きく、大聖堂の前には多くの人々が集まり、聖歌を合唱している人々、祈りつづける人々、呆然と立ち尽くす人々、涙を止められない人々がテレビに映っていました。

2月のブラタモリで見た方も多いかと思いますが、Notre-Dame de Paris のあるシテ島は、パリが始まった場所。Point zéro* という、フランスの道路の指標となる最初の場所は、Notre-Dame de Paris の広場にあります。

* 日本語では「道路元標」といって、道路の起終点を示すものだそう

カトリックの教会である以上に、パリジャン・パリジェンヌ、そしてフランス全土の人々にとって、この場所は歴史を越え、戦争を越え、悪疫を越え、いくつもの時代を越えて国民を守りつづけてきた大切で重要な場所なのだと思います。(マクロン大統領のことばを借りて)

ごめんなさい。
今日はどうやらフランス語について語る余裕はなさそうです。

わたしは NYC のテロでツインタワーが崩れ落ちる様子をリアルタイムで見ていて、言ったこともない場所だというのにもの凄い衝撃で、しばらく寝込んだのですが、そのときの、胸を締めつけられるようなえぐられるような恐ろしさと言い得ない悲しさを思い出しました。

Fluctuat nec mergitur
フルクトゥアト ネク メルギトゥル
「たゆたえども、沈まず」

そうはいっても・・・今夜は眠れそうにありません。