Exercices De Style ・・・ 文体練習。

Re-coucou !!

ちょっとまって!!!
おもしろいってば、Exercices De Style !!!

ぱらぱら読んでたときには「ん・・・?」って部分もあったんだけど、ちがった。
はじめから読まないといけなかったんだ。

「文体練習」というだけある!
そんな単純なことばあそびじゃなかった!

ちょっとこれ、おもしろすぎるーーー!!

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あのね、これ、まずは99章・154ページあります。
これぜーんぶ、おなじストーリーからできてるの。

分かりにくいかなぁ・・・

じゃあね、いちばん最初のページは20行足らずの覚書です。
作家が最初に書く、構想みたいなあらすじみたいなやつ。

ある午後、こんな格好のこんなヤツがいて、ソイツがバスの中で誰とどうしてこうしてこんなことしてたんだけど、数時間後どっかでまたヤツを見かけたら、いっしょにいた仲間にこんなことをいわれてて、それを見ていたらなんちゃらかんちゃら・・・

というまったく他愛もないお話。
(くわしくは読んでからのお楽しみ♪)

なんにもおもしろくないでしょ?

ところがですよ、Raymond Queneau はね、このまったくありふれた通りすがりの1場面、このエピソードだけをつかって、99変化させてくわけです。

曲言法、つまり遠回しないい方ばかりつかってみたり、
古典文学調で描いてみたり、
隠喩でまどろっこしく語ってみたり、
夢の中で見たことのように描写したり、

遠慮がちに、よくわからない・・けどたぶん、・・・いって・・みたの、かな?(こんなふうにね)

時間から距離からすべてきっかり正確な数字で表してみたり、
擬人法で「ヤツの帽子」のほうが主人公になっちゃったり、

ほら!午後!バスに乗る時間!なんて人混みだ!!
なんて!いちいち叫んで!みたり!!!!!

「それは赤ん坊でも老人でもなく」(←若者の描写)とぜーんぶ否定形だけで書いたり、

ムリヤリ韻を踏んだり、
(といってもおなじ音のことばを探すんじゃなくて、つかってることばの語尾を同じ音に変えちゃってるのがスゴイ)

擬音だけで描いたり、
改まった公的文書にしてみたり、
「オレオレ」ふうに書いてみたり、
理論的に検証・分析して箇条書きっぽくしたり、

「わたしは古びた汚らしいラーメン屋に入った。
 その古びた汚らしいラーメン屋でネギみそチャーシューを食べた。
 そのチャーシューはこの古びた汚らしいラーメン屋では・・・」
なんて感じにものっすごいしつこくくり返したり、

芝居仕立てにしてみたり、
「しー!」「ああ!」「うぅっ!」「いてぇ!」だけだったり、
筆ブショウを装って書いたり(その言い訳が長い!)、
無関心なひとのぶっきらぼうな語り口調だったり、
演説風にしたり、
電報文にしたり、
いちいち Alors を挿入したり、
「まえ」「うしろ」ということばを必ず入れたり、

植物的にしたりイタリアン訛りにしたり数学にしたり医学的にしたり、はては短歌まで!!!

ぜんぶもとはおなじ、つまんない日常のいち風景なんだよ?

どう?
想像するだけでもおもしろくない?

進むにつれて、さっきは「ニヤッとする」なんて書いたクセに、おなか抱えて笑っちゃったってば!!

楽しむほかにも、半過去、単純過去に複合過去、現在進行形っぽく書いてる章もあったりと、いろんな文体・時制・表現法が学べてまさに「文体練習」。

これ、今まで知らなかったのは残念だよ!
とにかく、読んでみなきゃわかんないおもしろさ!!

1947年が初版のようですが、この発想、すごすぎる!!!
これはわたしの中ではものすごい傑作です。

さーて、じっくり読んでやるぞー♪

とはいっても、あくまでも私的な好みですので、ご購入の際にはみなさんでお手にとってみてからどうぞ♪

日本語で読みたいかたは・・・
(読み比べたいのでなければ原文が絶対おすすめ!)