エリズィヨン。

Coucou !

よし、初心者さんからいくつか質問があったので、『エリズィヨン』についてちょっぴりくわしいレッスン♪

かみくだいて説明しますので、くわしいこと・用語などは文法書などでお願いしますね♪

たとえば・・・

Je écoute.

これじゃ、je の最後の母音 eécoute の最初の母音 é がくっついちゃってものすごく発音しにくいですよね?

なので、jee をとっちゃって、かわりに (アポストロフ)でつないであげます。

これを『エリズィヨン』といいます。
はい、j’écoute のできあがり♪

ce estc’est となるのもこれのおかげです。

je habite も同じ。j’habite にしてあげます。

なぜなら、フランス語では h は発音しないから。

ただ、まったく母音扱いされる「無音の h」と、発音しないけれど母音扱いされない「有音の h」があります。
エリズィヨンされるのは「無音の h」のほうだけです。

辞書を見ると「有音の h」の場合、単語の左側に十字架のようなマーク がついてるので、それで見分けてね。

これは有音、無音、なんて覚えてるとくらくらしてくるので、ゆっくり覚えていけばいいと思います。

でも、むやみやたらにくっつけないよう、気をつけて!
エリズィヨンしていい単語は決まっているのです。

ce  ス 「それ、これ」(指示代名詞)
de  ドゥ「〜の」etc.(前置詞)
ne ヌ (否定の小辞)
que ク 「〜を」etc.(疑問詞・関係代名詞・接続詞)*1
je  ジュ「わたし」(人称代名詞)
se  ス 「互いに・を、自分に・を」etc.(人称代名詞)
me  ム 「わたしに・を」(人称代名詞)
te  トゥ「きみに・を」(人称代名詞)
le  ル 「彼を、それを」(冠詞・人称代名詞)
la  ラ 「彼女を」(冠詞・人称代名詞)
si  スィ「もし」etc.(接続詞)*2

*1 que のほか、lorsque, puisque など -que の形をとる接続詞ではエリズィヨンされます。

*2 siil, ils「彼、彼ら」がつづく場合だけエリズィヨンされます。

これも、無理して暗記する必要はまったくありません。
そのうち、どれをエリズィヨンして、どれをしちゃいけないか自然に分かってくると思います。

ちなみに、話しことばでは

tu テュ「きみ」(人称代名詞)

もしばしばエリズィヨンされます。

t’es (= tu es)
t’as (= tu as)

というかんじ。

映画やテレビでもよく聴かれるこのことば、文法的にいえば正しくありません。

歌詞や詩の世界でも、たとえば petitp’tit になったりします。

これをエリズィヨンと呼ぶかは(呼ばないと思いますが)わたしは学者じゃないので分かりません。

でも、je suis でさえ、話しことばでは j’suis「シュイ」になっちゃうんだもの、ね。
しかもチャット上では chui なんてつづられます。
わたしはやらないけどね。

チャットの中でつかわれていることばを知ったら、学者のかたたちはどんなに嘆かれることか・・・

でもね。
美しいことばを守っていくのも大切だけど、ことばの移り変わりは時代を映しだすというか、文化の一部だとわたしは思っています。

自分ではつかわないにしても、ともだちとの会話のなかで、映画を観ていて、なにいってるんだろう・・・?って戸惑うことのないように、知っておいても損はないんじゃないかな?