8本足のタコと10月 nº1 – 1年が10ヶ月しかない!

さてさて、なんで10月の名前に、「8」をあらわす oct- がついてるの?

フランス語 語源こぼれ話」の説明で見たように、上にあげたフランス語での月の名前と、数字をならべてみましょう。

 7  sept
 9月 septembre

September
 8  huit
10月 octobre

October
 9  neuf
11月 novembre

November
10  dix
12月 décembre

December

ほら、数字と月とのずれがちょうど2つあるでしょ?
じゃあさっそく謎解きしてみる?

第1章 ロムルス暦

さて・・・

古代ローマ最古の暦がロムルス暦というもの。
この暦は1年が10ヶ月で成り立っていました。
暖かくなって働き始める春分の日に1年が始まっていたわけです。
今の3月にあたります。

それまでのふた月はといえば、なにもしない冬眠の時期。
名前をつける必要も、日付を数える必要もないってわけ。
うらやましいですね。

September, October, November, December はそれぞれ7番目の月、8番目、9番目、10番目を意味します。

下のロムルス暦の表を見ていただければわかりますが、暦の始まりのこの時点ではもちろん、数字と「何番目の月」を意味する5月から10月までの月の名前はきちんと対応しています。(1月から4月までの月の名前は神や女神の名前に由来しています)

読み方はちがいますが、この時代から、つづりは現在の英語名のままだったのですね。

でも、いくらなんでもこの1年が304日しかない暦では、いつが年の始まりかもわからないし、不便でしょうがない。空白の50日をほったらかしたロムルス暦は短命に終わったのだそう。

次に定められるヌマ暦において、December のあとにJanuarius「11月」, Februarius「12月」が今まで名前もなかったふた月を埋めることになるのです。

そう、お気づきになったと思いますが、この Januarius は現在の1月 January (= janvier), そして Februarius が現在の2月 February (= février) です。

これって、どういうことなの??

ロムルス暦

 1月(31日) Martius マールティウス
 2月(30日) Aprilis アプリーリス
 3月(31日) Maius マーイウス
 4月(30日) Junius ユーニウス
 5月(31日) Quin(c)tilis クイン(ク)ティーリス
 6月(30日) Sextilis セクスティーリス
 7月(31日) September セプテンベル
 8月(30日) October オクトーベル
 9月(31日) November ノウェンベル
10月(30日) December デケンベル
11月(31日) 
12月(30日) 

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8本足のタコと10月 nº2 – ズレた2ヶ月。
8本足のタコと10月 nº3 – Juillet の由来。
8本足のタコと10月 nº4 – ニシムクサムライ。