デリケートはデリーシャス?

Re-coucou !!
さて。ひさびさの Étymologie です♪

タイトル、フランス語にしたかったんだけど、英語のが「なになに?」ってなるかなって思って。

なんかさ、さっき思いっきり自慢話しちゃったから、どうもなんか書かないとあと味悪くって。
(と昨日コレ書いたんだけど、アップするの忘れてました♪)

小心者なクセにかなりナルシストな KiKi が今日もあなたにお届けする、語源のラビリンスです♪

えっと。

万年床の中で泣きながら「わたしって délicate すぎるわ・・・」と妄想にひたっているとき、この délica- という響きから、ジャン=ピエール・ジュネ監督の『デリカテッセン』のあの恐ろしいご主人の顔アップがふと浮かびました。

『デリカ(テッセン)』と『デリカ(トゥ)』!
わたしのアタマの中で、犯人の指紋照合の写真のように、このふたつがシュピッ。と重なっちゃったんですねー。

さあ、好奇心のスイッチ・オン!

でも「繊細」から「ソーセージ屋さん」かぁ・・・遠いなあ。

『デリ』とくれば、デリーシャス!とか、フランス語なら délicieux デリシュー「美味しい」
日本にもなじんでしまったドイツ語出身の Delikatessen『デリカテッセン』とか・・・
食べもの方面のことばばかり浮かんできます。

うーん、今回はハズレかな?

そこで、師匠にこのふたつのことばのつながりを聞いてみたら「ああ、それはありえるね!考えたこともなかったな!」とまんざらでもないようす。

さっそく Larousse dictionnaire d'ÉTYMOLOGIE で確認。
ヤッタ!BINGO !!

この délicat(e) は、délicieux のもととなる délice(s) と同じ語源をもっていました。

ラテン語の delicium [n.], deliciae [n.f.pl.]délice(s) の語源(1120年)だそう。

délice(s) は同じ名詞でもふたつの性をもち、語源が delicium [n.] の男性名詞・単数形 délice として

1.うっとりする心地よさ、甘味;陶酔、恍惚
2.とてもおいしいもの;喜び[楽しみ]をもたらすもの

語源が deliciae [n.f.pl.] の女性名詞・複数形 délices で「無上の喜び、悦楽」とあります。

こののち、délicieux という形容詞形が派生しているよう。
1190年に・・・できたのでしょうか?
1190年の文献の中で初めて登場したのだと思います。

ちなみにこの délicieux, ラテン語では deliciosus だそう。

さて、肝心の délicat(e) のほうは、16世紀まではまれにしか使われなかったそうで、最初の文献は1492年と遅めです。

語源はラテン語 deliciae からきた delicatus とあります。
意味は「細い、繊細な、デリケートな」・・・たぶんね。

同じく delicatus を語源にもつものに、1181年から存在している「繊細な、細い」をあらわす形容詞 délié(e) というのがあって、こちらは délier(「縛られて・結ばれているものをほどく、解く」の意)の過去形の影響から生まれたのだそう。

この délié(e) ということばが、どうも délicat(e) の出現と関わりがあるようです。

いくつかの辞書でそれぞれのことばを調べましたが微妙にちがっているので、勝手にまとめるとこんな感じです。

共通している語源、ラテン語の deliciae とはもともとどんな意味だったんでしょう?

わたしの読み方があっていれば、フランス語では男性単数形と女性複数形で意味が分かれてしまったうちの délice なのだそう。

じゃあ・・・
「うっとりするほど心地よい、甘美な、おいしいもの」と「細い、繊細な」って、いったいどこでつながるの?

Délicat(e) にはもっとたくさんの意味があります。

1.繊細な、洗練された;優雅な、優美な;精緻な、微妙な
2.細心な、思いやりのある
3.虚弱な、ひ弱な、過敏な、傷つきやすい
4.〔状況・立場などが〕微妙な、むずかしい
5.鋭敏な、敏感な;感受性の強い
6.気むずかしい

OUYOUYOUYOUYE !!

なんてデリケートなことば!
これはひと筋縄ではいきませんね。

さすがに、ラテン語のくわしい意味まではわたしの Dico には書かれていないので、もうちょっと調べてみることにします。

あんまりここでテキトーなこといえないしね!

ちなみに、ドイツ語からの Delikatessen と似た発音の délicatesse デリカテスdélicat(e) の名詞形で、英語では délicacy『デリカシー』になるのね。

で、いまジーニアスを調べていたところ・・・
ちょっとおもしろい項を発見。

このドイツ語の Delikatessen, あらまあ Delicatesse「優美さ」の複数形なんだって!!

英語での delicatessen ははじめ、ラテン語の delicat-(=優美な)と -essen(=食物)だと異分析されたんだけど、本来は食べものとは無関係のことばなんだそう。

それが「とてもおいしいもの」や「ソーセージなどの加工食品屋さん」になっちゃったなんて、おもしろいと思わない?

異分析されたからそうなったのか、「とてもおいしいもの」なんかをあらわすようになったからそんなふうに異分析されちゃったのか。

また語源にはまっちゃいそうだわ。

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ここまで読んでくださったかた、なんだかとぉーっても消化不良な結末でごめんなさい。
とにかく、一応はつながったってことで♪

ラテン語や語源にくわしいかた、もし詳細をご存じでしたら教えてください。

てな感じで、フランス語もままならないクセにラテン語にまで手を出そうとこっそり企んでいる(しかも、しつこいけど試験までもうひと月ないっての!!)暴走&妄想チャリンコなのでした。

では♪
Bonne journée !!