
お財布の行方。
保険会社にも連絡しましたが、保障は中身に関わらず、お財布の外側、つまり、お財布自体の値段しか返ってこないということでした。しかも、買ったときの領収証がいるとか。
無印のお財布なんて、1,500円だったし、レシートなんか取ってないし、もういいや、って感じで結局何の保障も受けられませんでした。
C’était juste un portefeuille en toile, il ne m’avait couté que 1.500 yens, et moi, je ne gardais pas les factures de tous mes achats. Alors comme ça ne valait pas la peine, j’ai abandonné les démarches.
ところが、ここからがわたしの呆れるほど小心者なところ。
お財布のことはすっかり諦めて頭からなくなっていたある日のこと。アパルトマンに、フランス人女性から電話がかかってきました。
わたしは、突然の見知らぬ人からの早口の電話と、彼女の < votre portefeuille >「あなたのお財布」という思いがけない言葉にすっかり気が動転してしまい、< Attendez, attendez ! > と < Je ne parle pas bien français ! > しか言葉が出てきませんでした。
いっしょにいたフランス人の友だちに電話に出てもらおうと思った瞬間、「またかけるわ」と言って、女性は電話を切ってしまいました。
その後、彼女からの電話は二度とありませんでした。
Cet appel inattendu de la part d’une inconnue qui parlait trop vite pour moi m’a prisé de court, et quand elle a prononcé ces deux mots “votre portefeuille”, je me suis mise à paniquer. J’ai simplement reussi à lui répondre : “Attendez, attendez” et “Je ne parle pas bien français”.
Au moment où j’allais passer le téléphone à un ami français qui était là, elle a raccroché en disant “Je vous rappellerai”. Mais elle ne m’a jamais rappelée…
あとで思うと、「もっとゆっくり話して下さい。」とか、「フランス語の話せる友人に替わります。切らないでお待ちください。」とか、いっぱい言える言葉があったはずなのに。
ああいうときってなーんにも言えなくなっちゃうものなんでしょうか。情けない・・・
そのあと紛失物預かり所に電話しても、まだ見つかってないって言われたし、警察で書いた書類の控えは部屋中探したのに見当たらない。
結局、彼女がどこの誰だったのかも、わたしのお財布がどうしたのかも分からずじまいでした。底抜けのバカです。
カードを頼りに、現金をあまり持っていかなかった私は、残り3週間の滞在期間、キビシイ節約生活を余儀なくされたのでした。
Moi qui n’avais pas apporté beaucoup d’argent liquide en comptant sur mes cartes bancaires, j’ai été obligée de me serrer la ceinture pendant les 3 semaines du reste de mon séjour en France.
この場をお借りして、言わせていただきます。
大家さん、アパルトマン延長した1週間分の家賃、払わなくてごめんなさい。
ホテル代わりに泊めてくれたともだち、夕飯をごちそうしてくれたともだち、部屋を貸してくれたともだち、どうもありがとう。
そして、窮地を救ってくれた M、本当にどうもありがとう!
Et Miho, à toi, qui m’as tirée de l’embarras, vraiment, vraiment merci beaucoup !!