
ちょっとまじめなおっぱいの話
Coucou !
今日はいきなり「おっぱい」について。
先日 Twitter で知人の興味深い発言を目にしたので。
「ブラジャーは女性のネクタイみたいなものなのかなぁ。」
これは「夏に向けてノーブラ女子が増えている驚きの理由」というスレッドへの返信だったので、この男性がひとり妄想を抱いているわけではないです♪
さて、わたしにとって何が興味深かったかというと。
フランス語ではブラジャーのことを
(アン)スーティゃん・ゴるジュ
といいます。
つまり、直訳すれば「喉支え」?
喉(首)に巻くものと、喉を支えるもの。
その共通点がなんともおもしろかったわけです。
そこで、ずっと気になっていた
ということについて調べてみました。
まずは語源辞典で。
ここには、soutien-gorge の出所 (1904, le Sourire) はあっても、なぜ胸を (la) gorge と呼んだのかについては記されていませんでした。
次にネットで検索。
ありました。要約すると
「かつて、女性(性器)はその下品で味気ない共通の名前を使うよりも、隠喩、揶揄、遠回しなことばなどをつかって表現するエレガントさをもっていた」
ようなのです。
そして、
「このように、女性たちは『胸』seins を gorge のような直接的でない呼び方をすることで殿方の欲望をそそることを好んだ。『お尻』fesses を『丸み・丸い部分』rondeur と表現していたように。porte-seins というより soutien-gorge の方がエレガントだということはたやすく納得できるでしょう?」
だそうです。
そして最後にプチ・ロワイヤル辞典の gorge の欄を見てみると・・・。
・・・ふつうに載っていました。ガックリ。
でも、気になることが。
これは!
胸を揶揄する gorge の語源が、わたしが思っていた『喉』ではなく、谷間という意味の『峡谷』からきた揶揄だったとしたら・・・。
いやいや、辞書に gorge =「乳房、胸」と載ってるから。
『峡谷』の方があとからきたのかもしれないし・・・。
胸の谷間や喉のように、細くえぐられた部分ということ?
とかいろいろ考えているうちに、もう何が何だか分からなくなってしまいました。
そこでもう1度、別の語源辞典で確認。
「女性の乳房、胸」の意味で使われた最初の確認は1228年。
ということは、1675年の文献で初登場している『峡谷』としての gorge の方が後ということになります。
KiKi, 惨敗・・・。
この「おっぱい」に対する探求、師匠の妹でフランス語教師をしている Claire との話題になりました。
「『峡谷』って、おっぱいの形を表してると思わない?」
「確かに、“les montagnes”『山』や “les collines”『丘』なんて表現もあるわね。」
そこで Claire は、ほかの『おっぱい』を表すことばについて、教えてくれました。
les nibar(d)s レ ニバーる
les lolos レ ロロ
les nénés レ ネネ
les titis レ ティティ
les doudounes レ ドゥドゥヌ
後半はほぼ、赤ちゃんことば。
ネット辞典では soutien-nibards なんてのも出てきましたが、フランスでは1度も耳にしたことがありません!
こんなのもあります。
哺乳瓶の乳首 (un) biberon を1860年に発明した Edouard ROBERT 氏の名前から。
最後にちょっと小話を。
イリヤデュモンドゥ オーバルコン!
「おお、バルコニーに人がいっぱいいるぞ!」
と男の子がいったら、「ボインちゃんがいるぞ!」っていう意味なんだって! by 師匠
(今は「ボイン」ていわないのかな?分かるひといる?)
それではまたね!
À bientôt !