フランス語らしい表現 ・・・ ウフェミスム。

Coucou !!

今朝はちょっぴり、フランス人の表現のおもしろさについてお話ししたいなー、っておもいます。

Un euphémisme アヌフェミスム ってご存じですか?
辞書を見ると「婉曲表現・遠回しな表現」とあります。
師匠によると、ものごとをはっきりといわずにやわらかくいったり、悪いことをポジティヴに、いいことをネガティヴにいったりすること。

フランス語では、よく「誉めことば」を皮肉でいったり「ポジティヴな表現」を反意的につかったりするわけですが。
逆に「ネガティヴな表現」で「ものすごくイイ!」なんてことをあらわしたり、とにかく、日本人とはまたちがった遠回しな表現を好むわけです。

すごくビックリしたのが、師匠とお付き合いをはじめたときに、彼の妹 Claire にいわれたことば。
兄の門出(大げさ?)を祝う嬉しそうなメールの最後にこんなことばが・・・・・・・・・フェードアウト

KiKi, あなたは Antoine を悲しませるしか能がないのね!」
(相当パニクッたので原文は忘れちゃった!)

ヒィィィィ!!
突然の兄嫁イビリかと思いました。

あんまりブルーになったので師匠に相談したら彼曰く
「ああ、それはフランス語の表現で、

Antoine が幸せになるにはもう KiKi しかいない』
『キミはどうすれば Antoine がよろこぶかをよく知っている』

っていう誉めことばなんだよ。」

・・・・・。
それにしても、遠回しすぎやしませんか?
思いっきりヘコむっつーの!

最初は「なんでそんなめんどくさい表現するんだろう?」と不思議だったんだけど、たしかにこういわれたほうがベタベタな誉めことばをいわれるより信憑性があるかも・・・?

あるのか?

おもしろいのが、師匠の表現のしかた。

例えば街でとっても頭にくることに出会ったとき。
あり得ないほどムカつくことがあったとき。

すっごくヘンでブーイングがおこりそうな人に出会ったとき。
クレームいってやりたいくらいのとき。

Oh là là, ça c’est nouveau, ça !
オララー、サセヌーヴォー、サ!
「おやおや、こいつは新手のワザだなあ!」

Oh, c’est très original !!
オー、セトレゾリジナル!
「おお!こいつはまったくオリジナルだなぁ!」

なんてニコニコしながらヒョウヒョウといわれちゃうと、もうツボにはまっちゃって笑いころげて怒りなんかどこへやら。
もちろん、ここぞとばかりに反意的な皮肉やイヤミをガンガンまくしたてるひとも、なかにはいるんでしょうけどね・・・。

で、最近、2ヵ月も前に買ったタバコの消臭剤が買った当時からぜんぜん効かないので、見てみたの。
そしたら、リキッドはまだ満タン、「はぁー?」と思ってフタを開けてみたら、アルミのシールをはがし忘れてて、そのまま2ヶ月間放置していたらしい・・・
あらら、これじゃぁ効くわけないって。

その話を師匠にしたら、

Aïe aïe aïe… Ça marchait moins bien alors…
アィヤィヤィ・・・サマルシェモワンビャン、アロー・・・
「あたたたた・・・それじゃ、そんなによく効かなかっただろうね・・・」
(これは原文で読んだほうがおもしろさが伝わります♪)

いやいやいや、
moins bien じゃなくって pas du tout「全然」だってば!
フタ開けてないんだから!

と反論したら、

そんなふうに「全然効くはずのないもの」を「全然」ってふつうにいってもユーモアがないじゃない?
「ふつうよりも効きがよくない」って控えめにいって、ちょっとしたひねりを加えるのがフランス語のユーモア、euphémisme なんだって。

なるほどー!!

やっぱりフランス語って奥が深くておもしろい!
そう思いませんか?