点の過去と線の過去。
まだ、過去についてちゃんとやってませんでしたね。
まずは簡単に・・・
フランス語の世界では、過去をどうとらえているか、直説法をつかって、かなりかみくだいて説明します。
過去形をつかってあらわせることは「時間のながれ」以外にもいろいろあるのですが、ここでは「時間」についてだけ、さらっと。
本格的な文章で正しい理論を読みたいかたは、文法書でどうぞ!
❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈ ❈
まず、avoir や être 助動詞と過去分詞 Passé でつくる複合過去 Passé composé(パッセ・コンポゼ) は「点」のようにとらえられます。
ジュテテレフォネ アトロワズール ダプレミディ。
「きみに午後3時に電話をしたんだよ。」
つぎに、半過去形 Imparfait(アンパルフェ)であらわされる線の過去。
これは未完了過去、その時点ではつづいてたけれど、まだ終わっていなかった、という過去についてあらわします。
テュセ、ジェテオビュロー コムダビテュードゥ、ジュプーヴェパデクロシェ!
「わたしはいつものように仕事場にいたのよ、電話が取れなかったのよ!」
ここでは、Antoine が「午後3時に電話した」ことが点の過去。( x )
KiKi は朝から晩まで(たとえば9時5時)働いてた。
なので、Antoine の電話から見れば線(未完了)の過去。( |————-| )
こんなかんじ? |——————x——|
で、つぎに、その「線と点」よりもっと前の過去。
これが、大過去 Plus-que-parfait(プリュスクパルフェ)です。
メセトワキマヴェドゥマンデドゥタプレ。
「でも、電話をくれって頼んだのはきみのほうだよ?」
これは過去完了、つまり、過去の時点で継続していたり繰り返されていて、もう終了していたことをあらわすものですが、上の例のように複雑な時間のながれの前後関係をはっきりさせるためにつかわれることもとってもおおいです。
これは、複合過去よりも半過去よりもまえの過去なので、avoir, être を「半過去形にした」助動詞と過去分詞でつくってあげます。
こんなふうに、フランス語では、はなしの中で出てくるいろんな過去の位置づけをはっきりしてあげなくちゃいけません。
なんて書いたら、ひぇぇぇー!ってなっちゃうけど、ほんとうに、これも慣れとしかいいようがありません。
あたまで考えてるだけじゃごちゃごちゃになっちゃいます。
はなしながら、つかいながら自然と理解するのがいちばんです。
そういうチャンスがまだないというかたは、フランス語で日記を書いてみるといいと思います。
フランス語での過去のとらえ方がだんだんのみこめてくるはず。
ちなみに、今では書きことばでしかほとんど見られない単純過去 Passé simple(パッセ・サンプル)、フランスの小学校でも、これを教えることは少なくなったのだとか。
単純過去とは、過去に起こったできごとを、現在とはまったく関係なく別の視点から見ているものです。
なので、小説や絵本ではだいたいこの形がとられています。
もちろん、本の中でもできごとの前後関係をあらわすため Imparfait, Passé composé, Plus-que-parfait などもつかわれます。
では、すごく簡単な Passé simple の例文を。
星の王子さまから。
エ イルリアンコール。
「そして彼はまた笑いました。」
いまはもっぱら、この単純過去の活用について練習中。
読むときはカンで読めても、自分で活用できないのです・・・
でも、フランス語の本でも出版しないかぎり、一生書く機会もないような・・・?