J’en sais rien ・・・ 全然知らない。

Coucou !

わたしが使うと、師匠に大変よろこばれるフランス語のフレーズがあります。

J’en sais rien.

じゃんセりャン.
「そんなこと全然知らない。」

Je sais pas. よりも強い否定の、「(それについて)まったく知らない」という表現です。

これは ne を省いた話しことば。
きちんと言うなら

Je n’en sais rien.

ジュなんセりャン.

ふたつのフレーズで、アクセントを変えてみましたが気にしないでね。いろんな言い方があるということをお伝えしたかっただけなのです。

さてさて。
なんでそんなに師匠がよろこぶかというと。

なにかを訊かれたときに、よく分からないのについついそれらしい予測を立てて、理屈や御託をならべてしまうわたし。つたないフランス語で延々、言い分を主張することもあります。

なので、最近になってこの “J’en sais rien.” を使うようになってから、「よしよし、素直でよろしい。」といった感じでご満悦なのです。

といっても本当は今でも使いたくないのよねぇ。
便利なのは確かなんだけど。

というのもその昔、ともだちの M と話して盛り上がったことがあるのですが、フランス人はこの J’en sais rien. を実によく使うのです。

しかも、とても素っ気なく。

「今日の夜、なに食べたい?」
—— J’en sais rien.
「クレールのお誕生日プレゼント、なんにする?」
—— J’en sais rien.
「このストは、いつまでつづくんだろうね?」
—— J’en sais rien !

こんな感じで即答されると、「ホントに考えてくれてるの、アンタ?!」と突っ込みたくなります。

パリに住む日本人である M とわたしの、ことばの趣味に関する共通点は、嫌いなフランス語のフレーズ・ワーストワンが

J’en sais rien.

だったこと。

だから師匠は、わたしが J’en sais rien. と言うようになってやっと、フランス人の仲間入りをしたと思ったのかもね。

うれしいような、M を裏切ったなような、複雑な心境です。

さて、この「全然知らない」は、こんなふうにも言えますね。

Aucune idée.

オーキュニデー.

こちらは、だいぶ前にご紹介した「なんの見当もつかない。」という表現。

この Aucune idée. のほうは、まだ頭をひねってから返事してる(わたしの勝手な)印象があるんだけどね。

え、その根拠は???

J’en sais rien !

ではまたね。
À bientôt !