それはわたしを○○させる Nº1 動詞 FAIRE
Coucou !!
ひさびさの表現レッスンです。
今日は「わたしを○○させる。」という、フランス語には欠かせない表現をクローズアップしてみましょう。
今回の「わたしを○○させる。」は前にお話しした「自分を○○させる。」という再帰的代名動詞とはちがいます。
日本語にはあまり見られないこのいいまわし、ここでしっかりと覚えてね。
第1弾は動詞 FAIRE をつかった表現です。
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「わたしを○○させる。」って、日本語にするとちょっとヘンだよね。
でもしつこいけれど、フランス語にはこういった受け身の表現がとっても多いです。
たとえば、モンスターを見た瞬間に「怖い!」と感じたとき、
J’ai peur de ce monstre !!
「わたしはこのモンスターが怖い!」
というよりは
Ça (= ce monstre) me fait peur !!
「このモンスターはわたしを怖がらせる!」
といういい方のほうが一般的です。
日本語にしたらおかしいけど、意味としてはひとつ目のフレーズの日本語と同じです。
ただ、ひとつ目の avoir peur のほうは、「怖い」という感覚を瞬間的に抱いたというものではありません。
常にそれを恐れている、というニュアンスなので、たとえば「わたしは死が恐ろしい。」といいたいときには
J’ai peur de la mort.
といったほうがいいのです。
ただ、フランス語では「死」のような抽象名詞を主語にすることもよくあります。
La mort me fait peur.
「死はわたしを怖がらせる。」
これが文学作品なんかに出てきたら、もっと高尚な・・・というか、複雑ないいまわしで訳されるのでしょうね。
「死はわたしを恐怖せしめる。」とかなんとか。
機転を利かせてひとつの文章をさまざまにいいかえることが、フランスでは言語能力の中でも重視されている、と前にもなんどかおはなししました。
こんなふうに動作主を変えてあげたりすることで、文章のヴァリエーションも広がりますし、日本語の文章をそのままフランス語に置きかえていくよりもはるかに、フランス語としてしっくりくる文章をつくる発想や表現力がついていくと思います。
それでは、「わたしを○○させる」の中でも日常的によくつかわれる表現を見てみましょう。
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* FAIRE + 形容詞 ou(冠詞+)名詞 「・・・を○○にさせる」
Ça me fait drôle.
「それはわたしの調子を狂わせる。」
(= ヘンな感じがする。)
Ça me fait de la peine.
「それはわたしを悲しませる。」(= わたしはそれが悲しい。)
Ça me fait plaisir.
「それはわたしを喜ばせる。」(= わたしはそれがうれしい。)
(お礼などの返答として:お役に立ててうれしいです。etc…)
Ça me fait plaisir d’entendre ta voix.
「あなたの声を聞くことはわたしを喜ばせる。」
(= わたしはあなたの声が聞けてうれしい。)
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* FAIRE + 不定詞 「・・・を○○させる」
Ça me fait rire.
「それはわたしを笑わせる。」(= それはおもしろい。)
Tu me fais craquer !
「きみはぼくを惚れこませる(参らせる)!」
(= クラッときちゃうな!)
Tu me fais bâiller !
「きみはわたしにあくびをさせるよ!」(= あくびがうつった!)
* ただこれは、成句としての表現も存在します。
Ce roman me fait bâiller.
「この小説はわたしにあくびをさせる。」
(= この小説はあくびが出るほど退屈だ。)
ほかにもこの FAIRE を使役の助動詞としてつかって、別の動詞とともに
で「・・・に食べさせる」「・・・を働かせる」など「・・・させる」という表現ができます。
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補語人称代名詞 me をほかの人称に置き換えれば「彼(彼女・あなたたち etc.)を○○させる」なんていう表現もできます。
Ça te fait mal ?
「それはきみを痛くしている?」
(= 痛い?)(マッサージやとげ抜きなどしながら)
Ce film l’a fait pleurer.
「この映画は彼(彼女)を泣かせた。」
(= この映画を観て彼(彼女)は泣いた。)
補語ではなく名詞や固有名詞がくる場合には
1)faire + 名詞 の場合
Ça a fait mal au cœur à Nicolas.
「それはニコラの心を痛めた。」
2)faire + 不定詞 の場合
Ça fait rire ma sœur.
「それはわたしの妹を笑わせる。」
(= わたしの妹はそれをおもしろがる。)
Ce film a fait pleurer Chloé.
「この映画はクロエを泣かせた。」
(= この映画を観てクロエは泣いた。)
この faire + 不定詞 ひとかたまりで「・・・させる」を意味するものなので、バラバラにできません。
なので、faire と不定詞のあいだに目的語や副詞などを置くことはできません。
補語は直前に、名詞はあとにおきます。
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どう?
すこしは表現の幅がひろがったかしら。
いっぺんにやると覚えきれないので、今日はこのへんで。
次回は動詞 RENDRE をご紹介します。
それじゃ、またあとでね!
À tout à l’heure !!
* それはわたしを○○させる Nº2 動詞 RENDRE/METTRE
* それはわたしを○○させる Nº3 動詞 DONNER etc…